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視点の行方

2012年日本の広告費は5兆8,913億円

印刷ジャーナル 2013年3月5日

 (株)電通が発表した「日本の広告費」によると、2012年(1〜12月)の日本の総広告費は5兆8,913億円、前年比103.2%。東日本大震災の反動増もあり、5年ぶりに前年実績を上回った。

 総広告費は、復興需要などによる2011年後半からの回復傾向を受けて前半は好調だったが、ロンドンオリンピック後は、エコカー減税・補助金終了の影響による個人消費の減退、円高や欧州経済の低迷、輸出が減少したことなどによる景気後退のあおりを受け、減少傾向となった。しかしながら、通年での総広告費は5年ぶりに増加。マスコミ四媒体広告費は2兆7,796億円と、震災前の2010年の水準を上回るなど広告出稿は活性化した。

 媒体別にみると、「テレビ広告費」(前年比103.0%)、「新聞広告費」(同104.2%)、「雑誌広告費」(同100.4%)、「ラジオ広告費」(同99.9%)の「マスコミ四媒体広告費」は同102.9%と前年を上回った。また、「プロモーションメディア広告費」も同101.4%と前年を上回り、ロンドンオリンピックなどで好調だった「衛星メディア関連広告費」(同113.7%)は3年連続で2ケタの伸びを示した。「インターネット広告費」(同107.7%)は、引き続き増加となった。

 プロモーションメディア広告費は2兆1,424億円。前年の震災による出稿自粛の反動増もあり、5年ぶりに前年を上回った。「屋外広告」(前年比103.8%)、「交通広告」(同103.9%)、「折込広告」(同102.1%)、「DM」(同101.3%)、「POP」(同100.5%)、「展示・映像他」(同108.3%)がプラスに転じた。

 2012年は前年にあった震災の影響による出稿キャンセルや自粛がなくなり、ロンドンオリンピック景気も相まって徐々に回復に向かった。しかし、夏場以降は個人消費の減退や外需不振によって日本経済にも減速感が増し、衆院選はあったものの、前年にあった東京モーターショーのような大きなイベントがなかったため、大幅な回復には至らなかった。

 電通では「プロモーションメディア広告における費用対効果へのニーズが高まったことを受け、デジタルデバイスとの連動などが求められ、紙メディアとウェブメディアの使い分けや、またその共存が試行される段階に入ってきた」としている。