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視点の行方

モバイルショッピングに関する意識調査(2)

印刷ジャーナル 2013年2月15日

 アドビシステムズ社が発表した「モバイルショッピングに関する意識調査」では、ショッピングアプリに対する消費者の関心の高まりに伴い、リテール企業は、ユーザーのモバイル端末に特化したショッピングエクスペリエンスへの期待に対応することが重要であることが明らかになっている。
 前号に引き続き、同意識調査について紹介する。

ショッピングアプリとカタログアプリがブランドへの親和性を高める

 ショッピングアプリやカタログアプリは、リテール企業にとって顧客とより深い関係を構築するための基盤となる。タブレットやスマートフォンを利用してショッピングを行う一般消費者のうち、67%は自分の好みの店舗のアプリのみを使用することが調査から判明している。またタブレット利用客のうち38%、スマートフォン利用客のうち42%はアプリによってブランドとの繋がりが強くなったと回答しており、リテール企業が最も重視しているリピート顧客との間に、さらに有意義な関係を育むチャンスが生まれている。

友人とソーシャルメディアがモバイルショッピングに影響を及ぼす

 モバイルでの購入判断に最も大きな影響を与える項目としては、回答者の大多数(タブレット利用者では88%、スマートフォン利用者では87%)が「友人」を挙げ、これにリテール企業からの電子メール、オンライン広告と動画、およびFacebookが続いた。同様に、新しいアプリに関する意見を友人と交換する手段としては、対面(53%)、Facebook(21%)、および電子メール(19%)が挙げられた。
 このデータは信頼する友人からの推奨が最も大きな価値を持つことを示しており、購入活動やアプリのダウンロードを促進するためには、商品、レビュー、ニュースの共有などのソーシャルな共有機能がショッピングアプリやカタログアプリに必要とされていることが明らかになった。

ショッピング顧客はアプリの機能と総合的なエクスペリエンスを重視

 すべてのモバイルショッピング利用者において、アプリに関して最も重視されている項目は割引情報だったが(タブレット利用者では52%、スマートフォン利用者では67%)、タブレット利用者(49%)からは仮想環境で商品内容をしっかりと確認することのできるインタラクティブな画像やスライドショーも求められていた。一方、スマートフォン利用者ではアプリを使って実店舗の場所を確認できる機能(60%)、および位置情報を活用できることが求められていた。
 これはモバイル端末のタイプによってショッピングアプリやカタログアプリの役割が明確に異なり、例えばタブレットでは包括的な商品情報が求められ、スマートフォンにおいては実店舗での購入を促進できる大きな可能性が存在することを示している。