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視点の行方

ネット通販、クチコミサイトの影響力増す

印刷ジャーナル 2012年1月15日

 (社)日本通信販売協会(東京都中央区、宮島和美会長)は昨年末、「インターネット通販利用者実態調査2011」の結果を発表している。
 同調査は、急速に拡大するインターネット通販の利用者像を把握することを目的に実施されているもので、20〜59歳のインターネット通販利用者を対象にWebアンケート形式で2,000のサンプルをもとに調査された。
 今回の調査結果によると、インターネット通販の利用頻度が年々上昇していることが明らかになっている。とくに、「週3回以上」利用しているユーザーは7.3%と前年より0.9ポイント増加。08年3.6%、09年5.1%、10年6.4%と右肩上がりに増加している。
 また、インターネット通販利用者が商品を知るきっかけ、購入の決め手となる情報源について聞いたところ、ともに「クチコミサイト」が最も高く、前年比12ポイント増となった前年よりもさらに大きく増加した。
 一方、前年で商品認知として最も多かったメールマガジンは、クチコミサイトよりも10ポイント低くなり、事業者より送られる情報よりも、CGM的な情報を重視する傾向が高くなってきていると言える。
 さらに、インターネット通販での購入品についてみると、1位「本・雑誌・コミック」、2位「食料品/飲料(酒類を除く)」、3位「レディース ファッション・靴」となっている。しかし、1位と2位、2位と3位の差はそれぞれ10ポイント近くあり、「本・雑誌・コミック」の購入率は突出している。調査開始以来「本・雑誌・コミック」がインターネット通販の主力商品であり続けているようだ。
 なお、インターネット通販利用者のデジタルコンテンツ(ダウンロードコンテンツ)の購入率は、PCからが19.6%、携帯電話22.3%であり、購入コンテンツのほとんどが音楽コンテンツとなっている。PCでの購入率は前年とほぼ同じだったが、携帯電話からの購入率は前年の18.4%から3.9ポイント増加した。その背景には、携帯電話に占めるスマートフォンの割合が増加し、音楽コンテンツ以外にもゲームや動画などの購入が増えたことが起因しているようだ。
 一方で、スマートフォンを保有するインターネット通販利用者の約15%が、スマートフォンを購入してからPCや携帯電話(スマートフォン含む)でのインターネット通販利用が増えたと回答している。
 このことから、スマートフォンの普及増加は、今後の通販利用にも影響がみられると考えられる。
 以上のように、インターネット通販は年々利用が増加してきており、消費者にとってもより身近な購入先として認知されている。
 なお、同報告書の本体には、インターネット通販の実態の把握やマーケティングに役立つユーザー情報が多数盛り込まれており、日本通信販売協会から販売させている。


■購入商品を認知した情報源と購入のきっかけとなった情報源

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