電子書籍の「自炊」、感心層で44%が経験
印刷ジャーナル 2011年11月5日
（株）インプレスR&D（本社/東京都千代田区）はこのほど、書籍をスキャナなどを用いて電子化する「自炊」についての実態調査の結果を発表した。調査対象は、同社が発行する電子出版産業向けの電子雑誌「OnDeck（オンデッキ）」の読者、およびNTTレゾナントが運営するgooリサーチのアンケートパネル。有効回答は約1,350件。
自炊代行業者に対し、出版社・作家が質問状を送付するなど、"自炊"に対する関心が高まっている。しかしながら、出版社・作家と自炊代行業者の対立のみが報道され、利用者がどのような考えを持っているのかという点にはこれまで触れられていなかった。
▽経験者は一般ユーザーで6%、電子出版に関心のある層で44%
自炊経験の有無については、OnDeck読者の44%が経験していると回答。また未経験者のうち、自炊に関心がある人は67%。
一方、gooリサーチの調査結果では6%が自炊を経験していると回答。未経験者のうち、37%が自炊に関心があると回答した。
電子出版に関心を持っているOnDeck読者で44%が経験済みで、また、一般ユーザーといえるgooリサーチでも6%が経験済みという予想を上回る結果となった。
▽自炊した書籍は「5冊以下」が多数
OnDeck読者のうち、自炊経験者に自炊した書籍数を聞くと、「1〜5冊」が最多の37%、次が「5〜10冊」で20%と回答。10冊未満が半数以上を占めた。一方、50冊以上を自炊している人も26%となっており、二極化の傾向がみられた。
一方、gooリサーチでは、74%が「1〜5冊」と回答。自炊経験といっても、試した程度の人が多数であることが明らかとなった。
▽自炊する理由は「スペース削減」「各種端末で閲覧」が上位に
OnDeck読者に、自炊経験者に自炊する理由（複数回答）を伺ってみると、「書棚のスペースを削減したいから」との回答が63%、「各種端末でいつでもどこでも読めるようにしたいから」との回答が56%、「デジタル版が存在しないから」との回答が43%という結果となった。
また、自炊未経験者のうち、自炊に関心を持っている層に自炊をしたい理由を質問したところ、「書棚のスペースを削減したいから」との回答が65%、「各種端末でいつでもどこでも読めるようにしたいから」との回答が46%、「デジタル版が存在しないから」との回答が46%となり、ほぼ同じ傾向となった。
