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視点の行方

MES市場、2015年に3兆ドル

印刷ジャーナル 2011年10月15日

 グローバリゼーションが進むにともない、企業は自社のリソースをどう配分し、コアコンピタンスをどこに集中させるかが重要な課題になっている。こうしたコアコンピタンス以外の業務を効率的に展開する要望に応えるために誕生した「MESプロバイダー」。このサービスは従来のアウトソーシングとは本質的に異なり、コアコンピタンスでない販売・アフターサービスなどの活動をアウトソーシングしてコスト削減をサポートすることに加え、売上拡大やシェア拡大も支援する。
 マーケットエクスパンションサービスの大手プロバイダーDKSH(本社/スイス)と戦略的コンサルティング会社ローランド・ベルガー(本社/ドイツ)はこのほど、調査結果レポート「マーケットエクスパンションサービス〜アウトソーシングを新たな次元へ」を発表し、新興市場と台頭する中産階級の購買力の継続的な力強い拡大が消費財、生産資材の需要を増大させ、さらにはMESプロバイダーに大きな成長機会をもたらしていることを示した。

▽急成長中で巨大な可能性を秘めながらも分断化されたMES市場

 世界のMES市場は、年約7.1%のペースで成長し、現在の2兆米ドルから2015年には約3兆米ドルに達する見込み。MES市場は、消費市場(6.1%)よりも急速に成長すると見られている。先進国市場も新興国市場のいずれもMESプロバイダーに膨大な成長機会をもたらす。2010年にはMESプロバイダーの売上の大半は欧州で発生していたが、ビジネスチャンスは振興国市場へと以降しつつあり、2015年には、MESの年平均成長率がアジア太平洋地域(日本を除く)で11%、中南米でほぼ13%、アフリカおよび中東で10.5%に達する予想である。

▽多国籍企業と中小企業のニーズの違い

 巨大な多国籍企業も中小企業も、MESプロバイダーが提供する市場参入および市場拡大サービスのメリットを享受できる。多国籍企業がMESプロバイダーを利用し、各市場でプラットフォームや既存ネットワークの提供を受けるのは、コスト削減や効率向上が最大の目的である。
 一方、中小企業の場合には目的は様々である。中小企業には多くの場合、単独で新規市場に参入し、各市場で事業を定着させるだけの経験やリソースがない。新規市場に巧みに参入して足場を固めるには、各市場に関する専門知識、潜在顧客や現地当局とのコネクションが必要である。