PJweb news

印刷産業のトレンドを捉える印刷業界専門紙【印刷ジャーナル】のニュース配信サイト:PJ web news|印刷時報株式会社

トップ > 視点の行方 > 出版業者の倒産が2001年の1.5倍
視点の行方

出版業者の倒産が2001年の1.5倍

印刷ジャーナル 2011年2月5日

 (株)帝国データバンク(本社/東京都港区)は1月24日、出版・印刷業界における倒産動向調査レポートを発表した。
 同調査は、2010年12月までの過去10年間における倒産動向を集計、分析したもの。調査結果では、2001年の1.5倍となった出版業者の倒産および電子書籍の普及が、今後も印刷業者に影響を及ぼす懸念を示している。
 2010年の出版業者の倒産件数は44件。過去10年間で最多の2009年(57件)と比べ、22.8%(13件)の減少となり、2006年(46件)以来4年ぶりに50件を下回ったが、2001年と比較すると57.1%の大幅増加を記録。依然として高水準で推移している。
 一方、印刷業者の倒産件数は153件で、過去10年間で最多を記録した2009年(174件)と比べ、12.1%の減少となったものの、同年についで2番目の件数となった。毎月平均10社以上の印刷業者が法的整理に追い込まれている実態も明らかになった。
 印刷業者の2010年の負債総額は325億8,100万円で、2009年の555億8,400万円と比べ230億300万円(41.4%減)の減少、2008年の494億5,200万円と比べ168億7,100万円(34.1%減)の減少となった。その結果、倒産1件あたりの負債額は2億1,290万円となり、2008年(3億5,580万円)から2年連続で減少している。
 大型倒産における倒産理由を見ると、2000年代前半の倒産案件ではバブル期に行った不動産投資の失敗が目立ち、2009年ごろからは景気低迷による倒産が目立っている。本業の販売不振に陥ったケースでは、同業他社との競合が激化したことが主な原因だが、レポートでは「背景には少子化の影響や活字離れ、趣味の多様化といった出版文化を根底から揺るがす可能性のある事象が存在する」としている。印刷業者では、出版不況による売上減少に加え、原材料価格高騰で資金繰りが破綻した業者が多い。今後は電子書籍の普及が想定されていることもあり、その影響が懸念される。

 同レポートが発表された翌日の25日、奇しくも2010年の出版物の推定販売額が21年ぶりに2兆円台を割り込んだ2009年をさらに下回ったことが、出版科学研究所の調べで分かった。販売額は1兆8,748億円。「電子書籍元年」と称された昨年のブームの裏で、紙メディアとしての「本」は深刻な不況が続いているということだ。
 今後、「出版」をプラットホームとするビジネスの幾何かは紙メディアから電子メディアへ移行する。その割合、スピードには様々な見方があるようだが、いずれにせよ、「出版」に携わる印刷業者は「電子書籍」という市場が未熟なうちに準備を進める必要があるのではないだろうか。