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視点の行方

デジタルサイネージの可能性

印刷ジャーナル 2010年2月25日

 電子POPや電子ポスター、電子看板など、新たな広告手法として注目される「デジタルサイネージ」。PAGE展では昨年より特設ZONEが設けられ、印刷業界の新たなSPツールとして期待される。
 同技術にアイデアを融合させ、昨今展示会や各種イベントで徐々に採用されはじめているのが「バーチャルマネキン」である。PAGE2010でも本年より展示され、来場者の注目を集めた。
 「バーチャルマネキン」とは、等身大の人型に切り抜いたアクリルパネルに専用フィルムを貼り、プロジェクターでリアルな動画を映し出す最新のデジタルSPツール。3Mが販売するアクリルパネルを採用すれば、明るい場所でも鮮明な映像を実現することが可能になるという。背面からイベントコンパニオンや司会者、企業キャラクター、コスチュームなどの映像を等身大で投影し、映し出された映像が説明を行なうことで集客力アップに役立てるという近未来的なディスプレイだ。
 主な特長として、自由な画面形状の作成が可能である他、形状と音・動画の相乗効果により、インパクトのあるデジタルサイネージが可能になる。目新しいものとして顧客の気を引く誘導効果だけでなく、動画のループ再生により、来場者に常に安定した同質の案内ができるなどの利点もある。
 PAGE2010の「デジタルサイネージZONE」では、(有)田中印刷所(滋賀県彦根市)と(株)プロネート(東京都板橋区)のブースにおいてバーチャルマネキンが展示され、その珍しさに写真を撮る来場者の姿も見られた。照明や外光に左右されることなく、明るい場所でも安定してきれいにはっきりと映像が映し出されていた。また、単なる説明だけでなく、製品やアイテムを出現させたり、説明に必要な文字情報や映像をプラスすることもできるという。一般会場でも、(株)光文堂(名古屋市中区)のブースで展示されるなど、今後の普及が予測される。
 デジタルサイネージは、印刷業界に新たな可能性をもたらす分野の一つと言える。