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視点の行方

倒産従業員2年連続10万人超え

印刷ジャーナル 2010年1月25日

 帝国データバンクでは、倒産企業の従業員数について態様別、業種別などの調査・分析を行ない、このほどその調査結果を報告した。
 その調査結果によると、2009年の倒産企業の従業員数は11万7,679人。2008年の12万3,477人は4.7%(5,798人)下回ったものの、2年連続で10万人を上回る結果となった。また破産、特別清算の「清算型」は8万2,272人で、前年比4.0%(3,166人)の増加となっている。
 業種別にみると、製造業が前年比39.7%の大幅増加で3万2,553人となり、構成比は27.7%を占めた。卸売業(1万5,001人、前年比プラス14.3%)も前年比増加。一方、建設業(2万5,436人、同マイナス17.1%)など5業種は前年比減少。地域別では、中部(1万4,453人、同プラス46.5%)、四国(5,044人、同プラス69.7%)の2地域が大幅増加となった。
 年別推移をみると2001年の19万4,507人をピークに、2005年(6万4,438人)まで減少を続けたが、翌2006年には増加に転じ、2008年は前年比35.1%の大幅増加で、4年ぶりに10万人を上回った。2009年は前年を4.7%(5,798人)下回ったものの、2年連続の10万人超えとなっている。
 一方、月別推移をみると、年前半は地場大手メーカーの大型倒産が相次ぎ1月が1万6,559人と集計基準変更後で月間最多を記録するなど高水準で推移した。年後半は、政府の緊急支援策の効果が浸透し大型倒産が沈静化したことが影響し、7月以降は6ヵ月連続で前年比減少となった。
 件数では、「10人未満」(1万429件)が前年比7.1%の増加で、構成比は78.9%と8割近くを占めた一方、「300人以上」(26件)は前年比16.1の減少。従業員数でみると「10人以上50人未満」(4万7,138人、前年比マイナス0.3%)が最も多く、次いで「10人未満」(1万9,850人、同プラス5.2%)。1社あたりの従業員数は、大型倒産が沈静化し、小規模企業の倒産が増加したことから8.8人(前年9.7人)に減少した。
 態様別にみると、破産、特別清算の「清算型」が前年比4.0%増の8万2,272人で構成比69.9%(前年64.1%)を占めた。一方、民事再生法、会社更生法の「再建型」は、前年比20.2%の減少で3万5,407人と構成比は30.1%(同35.9%)。年前半は、製造業、不動産業を中心に従業員を多く抱える企業が会社更生法を申請するケースが続発したが、年後半は再建型倒産手続きが困難な中小・零細企業の破産申請が中心となった。