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視点の行方

PCR原案策定を開始

印刷ジャーナル 2009年7月15日

 経済産業省は、カーボンフットプリント制度の構築に向けた試行的取り組みとして平成21年度より、「カーボンフットプリント制度試行事業」を開始する。その第一段階として平成21年6月1日より、「カーボンフットプリント算定・表示試行事業」において、商品種ごとの算定・表示ルールとなるPCR(商品種別算定基準)の策定のための計画(PCR原案策定計画)の登録申請の受付を開始。これを受けて(社)日本印刷産業連合会が「出版・商業印刷物」製品で申請を行ない、6月15日に登録された。
 日印産連では、申請に際し「出版・商業印刷物」を「出版社等が販売目的で発行するために作成される『出版印刷物』及び商取引上の宣伝等のために作成される『商業印刷物』。但し、電子出版物(CD-ROM、DVDなど)と付録類(電子媒体や試供品など)、POPは含まない。また印刷版を使用しないオンデマンド印刷方式で作成するものは対象としない」と定義している。
 日印産連では、今年度より、印刷産業におけるカーボンフットプリントの調査研究に着手することを掲げており、同事業では、地球温暖化対策のひとつとして捉えられているカーボンフットプリント制度への対応を図るために印刷業界の中小企業も利用可能なカーボンフットプリント算出方法の開発・検証に関する調査研究を行なっていく。具体的には、国内外の動向調査、印刷製品のLCA調査及び二酸化炭素排出量調査、測定・分析等の調査を通じて印刷物の商品別算出方法の開発・検証に関する調査研究を実施していく。
 また日印産連では、算定ルールの策定に伴い、中小企業が運用できるよう配慮していく方針。なおPCR原案完成は7月を予定している。
 PCR原案は、(社)産業環境管理協会に提出後、有識者、消費者、産業界出身者等から構成される「PCR委員会」によって審査が行なわれ、適当と認められた場合にPCRが認定される。認定されたPCRは、カーボンフットプリントホームページに公表され、また経済産業省は、必要に応じてPCRを日本工業規格(JIS)または、これに準ずる文章として制定することを検討していく。
 なおカーボンフットプリントの算定・表示を希望する事業者は、認定PCRに基づいた算定を行ない、その算定結果を産業環境管理協会に提出する。算定結果と表示方法についてPCR委員会の検証を受けたのち、検証結果が適当であれば、マークが付与される。