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視点の行方

労働者の安全文化を

印刷ジャーナル 2009年6月5日

 厚生労働省が5月26日に発表した平成20年における死亡災害・重大災害発生状況によると、平成20年の労働災害による死亡者数は1,268人で、前年比89人(6.6%)減と初めて1,300人を下回り、過去最少となった。
 業種別に見ると、建設業の430人に次いで、製造業が260人。事故の型別にみると、「墜落・転落」の311人に次いで「交通事故(道路)」287人、「はさまれ・巻き込まれ」による事故は192人となっている。また、「激突され」96人、「崩壊・倒壊」は83人。平成19年と比較すると、「交通事故(道路)」及び「墜落・転落」が前年比50人減と大幅に減少したが、「おぼれ」、「飛来・落下」、「感電」等は増加している。
 一方、重大災害発生状況では、平成20年の重大災害(一時に3人以上の労働者が業務上死傷又はり病した災害)は281件で、前年比12件(4.1%)減。業種別に見ると、建設業の93件に次いで製造業は58件である。平成19年と比較すると、建設業、製造業等における重大災害は減少した。
 事故の型別では、「交通事故」が全体の約44%。平成19年と比較すると「墜落」、「交通事故」が大幅に減少したが、「中毒・薬傷」、「倒壊」等は増加した。
 また、派遣労働者の労働災害発生状況では、平成20年の派遣労働者の労働災害による休業4日以上の死傷者数は5,631人で、前年比254人(4.3%)減となっている。
 厚生労働省は、景気の急速な悪化が続く中、企業における労働災害防止対策に係る活動が停滞することも懸念されること等から、(1)労働安全衛生法令の遵守を徹底(2)墜落・転落災害対策、機械設備等に係る対策の徹底(3)職場の危険性又は有害性等の調査(リスクアセスメント)及びこれに基づく措置の実施促進、(4)新規労働者への雇入れ時等の安全衛生教育の徹底等を図るとしている。
 また、派遣労働者の労働災害を防止するためには、特に派遣先事業者が派遣労働者の危険又は健康障害を防止するための措置を適切に講ずることが重要であることから、その徹底を図るとともに、派遣元事業場に対しては、職業安定行政と連携しつつ、集団指導等あらゆる機会をとらえ、雇入れ時等の安全衛生教育など講ずべき措置の周知・徹底を図るとしている。
 さらに、7月1日~7日の「全国安全週間」(準備期間6月1日~30日)は本年で82回目を迎えるが、派遣労働者の労働災害を含め、労働災害の一層の減少を図るためには、リスクアセスメント等の実施により、職場から機械設備、作業等による危険をなくしていくことや、職業生活全般を通じた各段階における安全教育の徹底を図ることなどにより「労働者の安全と健康を最優先する企業文化」である「安全文化」を定着させることが必要不可欠であることから、「定着させよう 安全文化 つみ取ろう 職場の危険」をスローガンに、同週間の活動を展開する。