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視点の行方

環境配慮契約、認知度に格差

印刷ジャーナル 2009年5月25日

 環境省では、環境配慮契約(製品やサービスを調達する際に価格に加えて環境性能を含めて総合的に評価して契約すること)の拡充を図る上での基礎資料とするために、平成20年11月~12月に全国の地方公共団体を対象に環境配慮契約への取組状況や問題点等について調査を実施。その集計結果が発表された。
 同調査は、地方公共団体の環境配慮契約の実施状況を調査し、今後の環境配慮契約法に係る施策の検討の基礎資料とすることを目的として実施したもので、
その調査対象となったのは全国1,852地方公共団体(平成20年11月20日現在47都道府県、17政令指定都市、789区市、999町村)、環境担当部局または調達担当部局。
 今回の調査結果では、環境配慮契約法の内容を知っていると回答した全体の割合は27.2%。都道府県・政令市では96.9%と、ほとんどにおいて認知されていた。一方、町村では48%が知らないと回答しており、地方公共団体の規模によって環境配慮契約法の認知度には差があることも判明した。
 契約方針を既に策定していると回答した割合は2.3%で地方公共団体の規模別でみると都道府県・政令市の約8割が「策定済み及び今後策定を予定している」のに対し、区市、町村では「現時点では環境配慮契約に取り組むかどうか分からない」との回答が8割に及んでいた。
 また契約方針は「グリーン購入法の調達方針の中に含めた位置づけである」と回答した団体は36.4%で、「単独で策定している(または予定)」と回答したのは全体の17.2%。その他にも「地球温暖化対策実行計画」の中に含める、ISO14001の手順書に含めるといった回答も寄せられていた。
 なお環境配慮契約に取り組む上での阻害要因として、「環境配慮契約に関する情報がない」、「組織としての環境配慮契約に対する意識が低い」、「環境配慮契約を推進した場合の効果がわかりにくい」などが挙げられている。
 平成19年11月の「国及び独立行政法人等における温室効果ガス等の排出の削減に配慮した契約の推進に関する法律(環境配慮契約法)」施行後、全国の地方公共団体を対象にした初めての調査であったが、結果を見ると法律が施行されて間もないこともあり、取り組みは限定的である状況にあることが判明した。環境省では、今回の調査結果を踏まえたうえで地方公共団体での環境配慮契約の取り組みを促進するため、全国説明会の機会等を通じて環境配慮契約の内容を周知し、さらなる普及を図っていく方針。