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視点の行方

日本の感性、印刷メディアで発信

印刷ジャーナル 2008年10月5日

 全日本印刷工業組合連合会(水上光啓会長)は、経済産業省と独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)の主催で今年12月12日から21日までフランス・パリ国立装飾美術館で開催される「感性kansei-Japan Design Exhibition-」に出展することを決めた。
 同展示会は、経済産業省が日本企業・製品の海外における市場拡大支援を目的に策定した産業振興策「感性価値創造イニシアティブ」に基づき、感性の訴求する日本の優れた製品やサービスを紹介することを目的に開催されるもの。経済産業省では2008年度から2010年度までの3年間を「感性価値創造イヤー」と定めており、今回の展示会は今後世界各地で開催を予定している「感性価値創造フェア」の最初のイベントに位置づけられている。
 パリ国立装飾美術館は、ルーブル宮の一角に位置し、トレンド発信地パリにおいて、デザインの殿堂と呼ばれる歴史と伝統を持つ美術館であり、日仏交流150周年記念イベントの一環ともなるこの展示会は、日仏の両国が協力しての開催ともあって大きな盛り上がりと反響が期待されている。
 同展示会開催にあたり全印工連では、ここ数年閉塞感に覆われている中小印刷業界の未来の可能性を探るため、▽日本のハイレベルな印刷技術の提示▽日本の印刷技術の振興・普及▽クリエイティブ産業とのコラボレーション強化▽日本の印刷技術のアウトリーチ▽日本の印刷産業のモチベーションの向上ーなどを目的として出展を決め、展示会タイトルを「NIPPON creative printing show vol.1」とした。全印工連では「生産性競争に限界が見えてきた印刷産業の未来を考えるにあたり、インターネットなどのデジタルメディアには発揮できない印刷物の最大の特徴である『五感への訴求力』を軸に、日本の印刷業界・製品が有する『印刷メディアの力』を国内外に積極的に発信したい」としている。
 作品の制作テーマは「間(ま)」。日本人が創造した感性の一つとして、ずっと心の中に持ち続けてきた日本独自の文化である「間」は、「和」の世界につながるものであり、他国が持ち得ない日本古来の精神文化と言われるもの。この日本のアイデンティティとも言えるこの「間」という概念を、国内の有名な6人のアーティストと高い技術力を持つ印刷会社とのコラボレーション作業により表現。プロデューサーには国内外で高い評価を得ているNPO法人ヘキサプロジェクトの久米英之氏を迎え、世界に誇る日本の印刷技術を駆使した創造性豊かな作品(アーティストブック)を展示する。なお今後の実務においては、全国青年印刷人協議会のメンバーと久米氏を中心にプロジェクトチームを編成し、出展準備を進めていく。