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視点の行方

原材料価格高騰に追加対策

印刷ジャーナル 2008年9月5日

 印刷業界をはじめ多くの中小企業が原油・原材料価格高騰を価格転嫁できない状況の中、中小企業庁はこのほど、昨年12月の緊急対策、6月の追加対策に続き、原油・原材料価格高騰に関わる下請中小企業向けの追加対策を発表した。
 8月9日から順次実施している。
 その具体的内容は次のとおり。
(1)平日の相談時間の延長及び土曜日の相談の実施
 中小企業の利便性を考慮し、全国の各経済産業局(9ヶ所)における下請取引に関する相談対応について、8月上旬から10月上旬まで、平日は19時まで延長するとともに、土曜日も新規に実施する。併せて、下請かけこみ寺本部((財)全国中小企業取引振興協会)においても平日の相談時間の延長及び土曜日の相談対応を実施する。
 また、経済産業局における土曜相談にあっては、下請相談と併せた金融相談にも対応するため、政府系金融機関の担当者も対応する。
(2)原油・原材料価格高騰時における買いたたきの具体的内容の明示
 原油・原材料価格高騰の状況において、下請中小企業が価格転嫁を行なうことが難しい状況に鑑み、下請代金支払遅延等防止法(以下「下請代金法」)第4条第1項第5号の買いたたきの具体的内容を明示し、注意喚起を行なう文書を8月中に親事業者団体等に発出する。
(3)下請代金法に照らし問題がある可能性があると考えられる親事業者に対する特別事情聴取の実施
 下請代金法に基づく調査を行なった親事業者のうち、中小企業庁による改善指導への対応が十分でないと考えられるなどの親事業者について、特別事情聴取を8月下旬から実施し、親事業者の法令遵守の徹底を促す。
(4)原油・原材料の価格高騰の影響が強い業種に属する親事業者に対する特別立入検査の実施
 定期的に実施している立入検査に加え、昨今の原油・原材料価格高騰の状況において、下請代金法第4条第1項第5号の買いたたきが行なわれていないかなどをチェックするため、原油・原材料価格高騰により特に影響を受けている業種について、特別立入検査を8月下旬から実施する。
(5)下請適正取引ガイドラインのフォローアップの実施
 既に策定している下請適正取引ガイドライン(10業種)について、ガイドラインの活用状況等についての調査、ガイドラインの改訂、今後のアクションプランの作成等を9月中旬頃までに行なう。
 対象業種の業界団体に対して、その内容を周知徹底するためのトップレベルの会合を開催する。
(6)厚生労働省からの通報制度の新設
 労働基準監督機関において、賃金不払事案等の背景に大企業の下請たたきが存在することを把握した場合、経済産業省等が取り次ぎないし通報を受ける仕組みを新設する。