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視点の行方

先入観のない人材確保を

印刷ジャーナル 2008年3月25日

 民間企業の障害者の実雇用率は1.55%。
 厚生労働省が発表した平成19年6月1日現在における障害者の実雇用率では、民間企業(56人以上規模の企業)において雇用されている障害者の数は前年に比べて6.7%(約1万9,000人)増加。実雇用率は0.03%上昇し1.55%となり、法定雇用率達成企業の割合は前年に比べて0.4%上昇し43.8%となるなど、障害者雇用の着実な進展が見られる。
 しかし、中小企業の実雇用率は依然低い水準にあり、特に100~299人規模の企業においては、実雇用率(1.30%)が企業規模別で最も低くなっている。「障害者雇用率制度」では、一般の民間企業において常用雇用労働者数が56人以上の一般事業主は、その1.8%以上の身体障害者又は知的障害者を雇用することを定めているが、前述の通り中小企業の法定雇用率達成企業の割合は低い水準にある。
 確かに、障害者を雇用するには、作業施設や設備の改善、特別の雇用管理等が必要となるなど健常者の雇用と比べ一定の経済的負担を伴うが、同制度ではこの経済的負担を調整するとともに、障害者の雇用の促進を図るため、事業主の共同搬出による「障害者雇用納付金制度」を設けている。
 同制度では、障害者雇用率(1.8%)未達成の事業主は、法定雇用障害者数に不足する障害者数に応じて一人につき月額5万円の障害者雇用納付金を納付しなければならないことを定めている。※当分は、常用雇用労働者数が300人以下の事業主からは、障害者雇用納付金を徴収しない。
 一方、常用雇用労働者数が300人を超える事業主で障害者雇用率(1.8%)を超えて障害者を雇用している場合は、その超えて雇用している障害者の人数に応じて一人につき月額2万7,000円の障害者雇用調整金が支給される。また、常用雇用労働者数が300人以下の事業主で一定数(各月の常用雇用労働者数の4%の年度間合計数又は72人のいずれか多い数)を超えて障害者を雇用している場合、その一定数を超えて雇用している障害者の人数に応じて、一人につき月額2万1,000円の報奨金が支給される。
 事業主にとって、障害者の雇用は健常者の雇用と比べ不安な一面はある。しかしメーカーとの協力や、適正配置で業務執行能力の向上を図る、またIT技術を駆使するなど経営面の工夫により、障害者が主役となって事業経営を行なっている印刷会社も実在する。「障害者」という一部のマイナス要因だけで雇用を敬遠することは、優秀な人材を見逃しかねない。
 現在、印刷業界は色弱者の目にやさしい印刷物を作るMUDへの取り組みなど、印刷業界としての社会的使命を全うすべく努力を続けている。ここで中小企業が大多数を占める印刷業界が障害者の雇用にも目を向けることは、単に社会的責任を全うするだけでなく、教育次第で優秀な人材に成長する人材の確保にもなるのではないだろうか。
 某アンケートによると、学生から見た印刷業界はまだまだ「古くさい」「仕事がつらい」といった旧態依然のイメージを引きずっているという。学生、障害者、女性、外国人労働者など、先入観にとらわれない人材確保で、印刷業界の活性化に努めていきたい。