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躍進企業REPORT

TAG:勝田製作所製 コンピュータ断裁機を導入

印刷ジャーナル 2016年2月25日
「品質には自信があります」と同社スタッフ(後列左が伊藤社長)
外国人オペレーターでも正確・安全に作業が可能な勝田製断裁機

 荷札・下げ札・タグ専門のTAG(株)(本社/名古屋市中川区、伊藤栄記社長)は2016年1月、(株)勝田製作所のコンピュータ断裁機「SH250 HOP JMC 4FX」を導入した。印刷から断裁、荷札加工までを一貫生産する同社では、約32年前より勝田製作所の断裁機を使用してきたが、今回の新機種導入により作業性と断裁精度のさらなる向上を実現。これにより工場全体の品質・生産性の向上にもつながっているようだ。

作業性・断裁精度が向上〜「ソフトクランプ機能」の安全性を評価

 同社は約70年前に伊藤社長の祖父が荷札加工専門業として創業。現会長の後を継ぎ、伊藤社長は8年前に3代目に就任し、同時に荷札だけでなく下げ札などタグ全般を取り扱う企業として現社名に商号変更した。
 同業者との競争が激化する中、同社は近年、毎年のように設備投資することで他社との差別化を図っている。2012年6月に150〜280ミリの加工が可能な大型荷札加工機を導入。翌2013年6月には30〜60ミリの加工が可能な小型荷札加工機を導入。さらに2014年2月には2台目となる荷札加工機を追加で導入した。これら新機種の導入により、生産キャパの向上とともにさらに高品質なタグの生産が可能になった。
 また、同社は生産性だけではなく、品質にも自信を持っている。伊藤社長は「最新の荷札加工機には検品装置が搭載されているが、当社では加工のスピードを落とし、人の目とのダブルチェックで検査することにより万が一のミスも出さないように心掛けている。ここ数年で導入した新しい機種は生産ロスや準備時間が少なくて済むため、加工スピードを落としても、トータルではこれまでより生産キャパは向上している」と話す。近年は県外からの受注も増えてきているようだが、ショッピングサイト「荷札.net/」を活用しながら受注範囲をさらに広げていく考えだ。

色・デザイン、情報提供力なども評価

 同社では、約32年前より勝田製作所の断裁機を使用。これまでの断裁機にもコンピュータは搭載されていたが、あまり使うことはなく「ほとんど手動で使用していた」と伊藤社長は話す。しかし品質の安定を図っていくため、コンピュータを使用する必要性は感じていたようだ。
 さらに、「担当の営業マンは普段から断裁機のことだけでなく、印刷業界の様々な情報の提供やアドバイスをしてくれていた。そのようなこともあり、ちょうどコンピュータの操作部分が使えなくなっていたこともあって、予定よりかなり早い段階であったが、新機種に更新することを決めた」(伊藤社長)という。
 伊藤社長は勝田製作所の断裁機について、「ソフトクランプ機能」を高く評価。これについて次のように話す。
 「当社では2年前よりネパール人を正社員として雇用している。外国人の場合、機械の操作方法を説明しても、どこまで理解しているかが分かりにくいため、断裁作業については特に安全性が気になっていた。勝田製作所の断裁機には『ソフトクランプ機能』が搭載されており、万が一、手を挟んでも30キロの圧力のため、他社の機種より安全性に優れていると判断した」
 そして新機種に導入してからは、従来のような手動による断裁作業は改め、コンピュータ断裁機の様々な機能を活用。当然のことであるが、手動による作業との違いは明らかであり、伊藤社長も大きな効果を実感しているようだ。
 「これまでは工数入力もしたことがなかったが、コンピュータに入力すれば自動で断裁寸法を出してくれるので、作業時間の短縮につながり、全体の生産キャパ向上にもつながっている。また、断裁精度についても手動ではコンマ数ミリの誤差はどうしても出てしまうが、コンピュータを使用すれば確実な断裁が行えるため、断裁精度も確実に向上した。さらにライトもこれまでは蛍光灯であったが、新機種はLEDになっているため、非常に見えやすくなっている」
 また、伊藤社長は勝田製断裁機の色やデザインの良さについても高く評価している。
 「印刷機や断裁機などは全般的に油の色が目立たない暗いイメージの色が多いが、勝田製作所の断裁機は白と青のツートンカラーで、見た目の色とデザインも気にいっている。当社はこれに特注で赤色も追加してもらい、さらにカラフルにしてもらった。当社では荷札加工機についても、青やピンク色のものを導入している」
 同社は今後、ショッピングサイト「荷札.net/」をこれまでのような印刷業界・包装資材業界の下請け仕事を受注するだけのサイトではなく、企業からの直受けを目指したサイトにリニューアルしていく方針。
 「当社のサイトでは既製品の荷札ではなく、プラスαの価値のある別注モノを、リーズナブルかつ小ロットで提供していく。さらに、カラフルでオシャレな荷札を開発しながら他サイトとの差別化を図っていきたい」(伊藤社長)
 タグ専門企業として日本屈指の企業を目指す同社は、その一翼を担う断裁において、これからも勝田断裁機を使い続けていく方針だ。