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躍進企業REPORT

新生印刷:DMはがきの生産性3倍に向上

印刷ジャーナル 2015年5月5日
「高品質なDMはがきを効率良く生産できます」と湯川専務(左)と東原部長
「はがき側とDM側の貼り合わせ位置の調整が楽になりました」と谷口オペレーター
広島印刷団地協同組合にある本社

トヨテック製 DM圧着プリント・はがき貼付機「HH-3600」導入
不良品の割合は5%から1%台に減少

 新生印刷(株)(本社/広島市西区商工センター7-5-26、電話082-277-1000、森本孝之社長)は、DM圧着プリント・はがき貼付機「HH-3600」(トヨテック製)を昨年11月に導入したことにより、DMはがきの生産性を従来の3倍以上に向上させるとともに、不良品の割合を従来の5%から1%台にまで減少させた。さらに、工程の削減、消耗品価格の減少によるコスト削減など、生産性・品質・コスト・作業性など、あらゆる面において導入効果を発揮している。


 同社は約15社の印刷会社で構成される「広島印刷団地協同組合」に本社を構える。創業は昭和28年。主に帳票関係の印刷をメインに、地域の企業や官公庁を中心の客先として信頼と実績を積み、現在は東京にも支店を構える。

 主に帳票関係の印刷をメインとしているが、時代の流れによりパソコンやプリンターの普及にともない受注は徐々に減少。そんな中、受注の減少を一部補うために約7年前より開始しているのが、年賀状と暑中見舞いのシーズンに行っている「あけて広がる年賀状」と「かもめdeめ〜る」(同社商品名)の事業である。

 同事業について湯川真専務取締役は「受注枚数は年々増えており、とくに今年の年賀状は昨年の2倍以上の枚数を受注した」と話し、その受注に対応できたのは、昨年11月にトヨテック(株)から導入したDM圧着プリント・はがき貼付機「HH-3600」によるものが大きいと断言する。

 同社では、約7年前に「あけて広がる年賀状」と「かもめdeめ〜る」の生産を開始して以来、某メーカーのはがき貼付機を使用してきたが、生産性・品質ともに、納得して使えてはいなかったようだ。東原将志生産部長は、「調子が良いときでも1時間に1,000枚程度の貼り合わせが限度で、しかもそのうち5%は不良品となるため、不良品の数を計算に入れて生産しなければならなかった。当社には納期が厳しい仕事もかなり入ってくるが、これまではそのような仕事は断らざるを得なかった」と話し、これまでは生産性の問題で断っていた注文も受注が可能になったことが今年の生産枚数の倍増につながった一因であることを説明する。

 DM圧着プリント・はがき貼付機「HH-3600」は、1時間に連続稼働で3,600枚、実稼働で2,000枚以上のDMはがきを容易に貼り合わせることが可能で、さらに従来のはがき貼付機は断裁に2つの工程が必要であったが、「HH-3600」はワンパスで三方断裁が可能なため、工程を一つ減らすことができる。湯川専務は「生産スピードの向上と工程削減により、DMはがきの生産性は従来より3倍以上に向上した」と生産性の向上に自信を示す。

 また、DMはがきの貼り合わせは、はがき側とDM側の片方でもずれたりカールしたりすれば不良品となってしまうため調整が難しいが、「HH-3600」に入れ替えてからはこれまで5%あった不良品の割合を1%台にまで減少させることに成功したという。

 実際に「HH-3600」を使用しているオペレーターの谷口正孝氏はその理由について、「従来のはがき貼付機は、はがき側とDM側の貼り合わせる位置の調整が手作業によるマニュアルであったが、『HH-3600』はボタンによるオート調整のため、簡単、正確で不良品を1%台にまで減らすことができた」と話しており、それは作業時間の短縮と作業ストレスの改善にもつながっていると高く評価している。

 また、従来のはがき貼付機は両面テープによる貼付であったが、「HH-3600」は低コストなホットメルトを使用するため、消耗品のコスト削減にもつながるなど、生産性・品質・コスト・作業性など、あらゆる面において導入効果を発揮しているようだ。

 この「あけて広がる年賀状」と「かもめdeめ〜る」については、同業他社や広告代理店からの受注を中心に展開しているため、同社の湯川専務と東原部長は「高品質なDMはがきを効率良く生産することができるようになったので、夏場や年賀の時期で企画商品をお考えの方はお気軽にお問い合わせ下さい」と、今後の受注増加を期待している。