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躍進企業REPORT

倉八紙工:コムネット製レーザー加工機「FLEXI」導入 -「デザイナーの能力を最大限に発揮」

印刷ジャーナル 2013年9月15日
倉八社長
10ミリ厚までの様々な素材に対応する「FLEXI」
「細かいラインも正確、スピーディー、簡単にカッティングできます」と女性デザイナー
これまでに加工した商品アイテムは600点以上

加工精度と高生産性を評価
様々な素材に活用しデザインの幅を拡大

 倉八紙工(株)(本社/福岡県八女市、倉八俊一郎社長)は、菓子箱やお茶缶のデザインから印刷、製函までを行うパッケージの総合メーカー。同社は昨年8月のライブデザインラボラトリィ(福岡市中央区)開設に合わせ、コムネット(株)のレーザー加工機「FLEXI」を導入し、パッケージデザインの幅を広げると同時に、量産品にも対応する生産性を実現した。また紙素材だけでなく、独自に様々な素材への加工を試作・アイテムを開発するなど、「パッケージプロモーション」をキャッチフレーズに掲げる企業として、顧客の商品の売上向上に役立つパッケージ制作に邁進している。


 同社は大正元年、倉八社長の祖父にあたる倉八末吉氏が、手作業によるお茶缶や菓子箱の製函業として創業した100年の歴史を持つ企業。戦後、2代目・倉八正社長(現会長)の時代に段ボールや化粧箱などにも事業を拡大。その後、デジタル化の進展と合わせCTPや印刷整備を導入するとともに、社内デザイナーの採用を開始。現在はパッケージのデザインから製函までを一貫生産する総合パッケージメーカーとして事業展開している。

 「当社は『パッケージプロモーション』をキャッチフレーズに掲げており、売れるパッケージにはプロモーション機能があることをお客様に訴えている。より売れるパッケージを作るには、考える側と作る側は一体でなければならない。これにより、お客様の希望を具現化できると考えている。このため、当社では社内デザイナーの採用に力を入れており、現在は50名の従業員のうち8名が社内デザイナーとなっている」(倉八社長)

 そんな同社は昨年8月、福岡市内の活動拠点として「ライブデザインラボラトリィ」を開設。福岡市内にはデザイン会社は多いものの、パッケージデザインを行っている会社は少ないようで、そこで知り合いのデザイナーと協力して福岡市内の商圏にパッケージデザインを発信していくことを決めたという。

 また、同社はこの開設と合わせて、同ラボラトリィにコムネットのレーザー加工機「FLEXI」を導入した。同社は本社工場にCADのカッティングマシンを設備しているが、生産性とカッティング精度をさらに高めるためにはレーザー加工機の導入は不可欠であると考えたようだ。

 「導入してちょうど1年になるが、FLEXIは加工精度と生産性が抜群に良い。レーザーの焦点の大きさは0.1ミリ単位となっており細いラインでも確実にカッティングが行えるため、デザイナーの能力を最大限に発揮できる。さらに生産性に関しては、デザインによってはCADのカッティングマシンでは10分以上かかると思われるデザインも40秒程度で完了するため、数千ロット程度であれば量産品にも対応できるようになった」(倉八社長)

 また、パッケージだけでなく販促ツールのデザイン開発・制作も行う同社では、紙素材だけでなく、コルクや木材、プラスティックなど、様々な素材を「FLEXI」により加工し、これまでに600点以上を商品化している。

 「お客様の売上向上に役立つ具現化のお手伝いをするのが当社の役割と考えている。FLEXIは操作も簡単であるため、デザイナー自身がその場で加工して実物を確認できるため、新しいアイテムの創出にも役立っている」(倉八社長)

 同社の取引先においても、昨今はアジア諸国への輸出が増加しているという。そこで同社は来年より、中国やタイ、インドなどを中心に、現地出身のデザイナーを社内デザイナーとして採用していく準備を進めている。

 「海外向けの商品をデザインする場合は、日本人よりも現地の空気感のわかる現地出身のデザイナーの方が、その国で売れるデザインが行えると考えている。これによりお客様の具現化のさらなるお手伝いをしていきたい」(倉八社長)

 どこまでも顧客の売上向上のため、パッケージプロモーション企業として飽くなき前進を続ける同社に期待したい。