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躍進企業REPORT

日経印刷:「強みを見つけ、さらに伸ばす年に」〜創業50周年に向け、100億円企業めざす

印刷ジャーナル 2013年2月5日
吉村 和敏 社長

スペシャルインタビュー
日経印刷株式会社 代表取締役社長 吉村和敏氏

 日経印刷(株)(本社/東京都千代田区飯田橋2-15-5)は、2013年1月1日付で吉村和敏氏が代表取締役社長に就任し、新体制で新年のスタートを切っている。そんな同社の2013年度スローガンは「自分たちの強みを見つけ、さらに伸ばしていこう」。明年の創業50周年に向け、100億円企業を目指して挑戦を続ける同社の吉村社長に本年の展開を聞いた。

 日経印刷の創業は昭和39年10月。東京オリンピック開会式の、まさにその日に飯田橋の地で産声を上げた。以後、東京都内を中心に事業所を展開。現在は飯田橋の本社オフィスを柱に、モノクロ印刷と特色印刷で顧客ニーズに対応するハイデルベルグフロント、出版系や学校関連の印刷物に強い24時間モノクロ専門の浮間工場の各拠点を構え、昨年の第11回 印刷産業環境優良工場表彰で経済産業大臣賞を受賞したカラー印刷を中心とするフラッグシップ工場「グラフィックガーデン」と連携しながら、様々な印刷需要に柔軟に対応する体制を整えている。
 明年10月には創業50周年を迎えるという同社。創業者の前・林吉男社長から2代目のバトンを受け継いだ吉村社長は、「この節目の年に際し、当社がこれまで培ってきた『ものづくり力』を土台に、これまで以上に生産性の向上、安定した高品質化を追求し、顧客の期待に応えていけるよう努力を続けていきたい」と決意の一端を示す。
 吉村社長は大学卒業後、建設会社に10年間勤務した後、2003年に日経印刷に入社。本年で10年目を迎える。
 「お客様の思いをカタチにするという部分では建設業界も印刷業界も同じ。日経印刷では1年半にわたり営業を経験した後、生産部門の舵取り役として現場を任されてきた。社長に就任し、現在は取引先回りに奔走しているが、取引先の要望を吸収し、それを現場に伝えるのが今の私の役割であると認識している」
 2013年度のスローガンは「自分たちの強みを見つけ、さらに伸ばしていこう」と掲げた。「新体制となり、なぜ日経印刷がお客様に愛され続けてきたのかを改めて見つめ直す年にしたい。会社の強み、部署の強み、個人の強みを見出し、強い部分はさらに高め、弱い部分は原因を究明し補っていける年にしたい」
 その実現のため、同社は本年「教育体系」の見直しを図る。一人一人の社員を成長させることに重点を置き、個々の社員力を高め、それぞれの役割の確認と拡大に努めるとともに、全ての部門を配慮した連携プレーの取り組みを進め、その集合体である「日経印刷」という企業全体の価値向上につなげる方針だ。
 また、全員参加でCSR活動に取り組むことも本年の重要課題に掲げている。同社は「社会貢献活動は現場で行える。近隣の理解を得てこそ、ものづくりをさせていただくことができる」との認識に立ち、2006年から近隣の清掃業務をはじめとした社会貢献活動を行ってきた。また、「地球上にゴミを残さない」との観点でゼロエミッション活動にも積極的に取り組み、現在は99.5%の廃棄物を分別。2009年以前は月平均20トンを超えていた廃棄物の量は現在、月1トン未満にまで削減することに成功している。
 また、同社は環境配慮だけでなく、板橋区の産業観光事業にも協賛しており、地域との連携もとりながら工場見学や小学校の社会科見学などにも協力。インターンシップも積極的に引き受け、社会貢献活動を行っている。そして昨年には、これまでの日経印刷独自の環境活動や社会貢献活動をまとめた、日経印刷グループとして初の「CSRレポート 2012」を発行した。
 「経済産業大臣賞を受賞したということは、業界No1の称号を与えられたということだ。その表彰をいただいたからには、それに恥じない取り組みを進めていくことが当社の役割であると認識している」
 創業50周年の嘉節を目前に、企業の未来を託された若手社長の経営手腕に注目したい。


【プロフィール】吉村 和敏 氏

2003年日経印刷に入社。前職は建設会社施工管理。2005年より印刷業へのトヨタ生産方式の導入及びISO事務局のマネジメントに取り組む。2006年生産本部長、2008年業務改善支援室担当本部長兼務、2009年管理本部長兼務、2010年取締役 生産本部兼管理本部本部長、2011年取締役執行役員、2013年より代表取締役社長。