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躍進企業REPORT

田中紙工:創業50周年迎え飛躍の年へ

印刷ジャーナル 2012年7月25日
田中社長(=盛況のISOTブース前で)
7月に開設した「オンデマンドトランプ.com」

「総合デジタル加工業」としてさらなる躍進目指す

 (株)田中紙工(本社/東京都板橋区坂下、田中真文社長)は、本年8月15日付で創業50年を迎える。高精度な断ちと抜きの技術を誇る「技と匠の集団」である同社はこの間、特にカード関係では他社の追随を許さない設備と技術力、さらに環境や個人情報保護など激変するニーズに対応しながら信頼と実績を積んできた。7月からはWebとデジタル印刷を融合させた新サービス「オンデマンドトランプ.com」を開設するなど、50周年を機に総合デジタル加工業としてさらなる躍進を目指す。

 同社の創業は、昭和37年8月15日の終戦記念日。前社長の田中千里・佳子夫妻により、板橋区蓮根の地に産声を上げた。創業当初より、印刷物の断裁加工とポンス抜き加工の専業者として実績を積み、田中社長は幼い頃、断ち屑で遊びながら育ったという。
 昭和41年2月、板橋区坂下に移転し(有)田中紙工として法人化。その後、昭和49年に戸田工場を開設、昭和54年に本社工場を増設するなど、設備と加工内容を充実させ、昭和56年には(株)田中紙工に組織変更した。
 平成の時代に入ってからも、平成13年に戸田工場新館、平成14年に西ヶ丘工場、平成20年に新河岸工場を開設。平成22年11月には150坪の戸田第2工場を開設。これにともない、新河岸工場を統廃合した。

 この間、田中真文社長は平成18年1月に2代目に就任。以降、環境対応や個人情報保護などの社会ニーズにも目を向け、平成19年10月に日印産連グリーンプリンティング工場認定を製本業界としては相当早い段階で取得、また、平成20年8月に製本産業個人情報保護体制認証(SAPPS)の認証を取得している。
 「2代目社長に就任してから6年半、いかにして他社にないサービスを展開できるかを模索しながら会社の経営を行ってきた。総合デパートではなく得意分野に特化した専門店を目指していく中、トレーディングカードやトランプ、カルタなどのカード関係に特化した専門店としてのブランド力を構築することができた」(田中社長)

 そんな同社は本年7月5日から東京ビッグサイトで開催された第24回国際文具・紙製品展「ISOT2012」に3回目となる出展。7月から開設したばかりの1セットからオリジナルトランプを注文できる「オンデマンドトランプ.com」の注目度は予想を上回るものだったと田中社長は話す。
 「昨年と一昨年もISOTに出展し、大ロットのオリジナルトランプやカルタなどを某印刷会社様と共同出品していたが、その中で小ロットのニーズを感じていた。そこで今後はロットのニーズも取り逃さないように、昨年末にコニカのオンデマンド印刷機を導入し、小ロットのオンデマンドトランプの受注を開始した。そして、本年7月からは新サービス『オンデマンドトランプ.com』を開設。コンシューマーはもちろん、ノベルティ用途として印刷会社様からも多くの需要があると期待している。まずは初年度、1年間で2,000万円の売上を目指していく」(田中社長)

 創業半世紀を迎えても、「印刷会社のための紙加工業」という同社の基本スタイルが変わることはない。同社は今後、そこにWebやオンデマンド印刷などを取り入れながら、印刷会社のニーズにさらに柔軟に対応していく方針である。
 「コアコンピタンスである『紙加工』にデジタル技術を付加し、コンシューマー市場の開拓とネットビジネスを確立していく。Webを窓口に加工の仕事が入ってくる仕組み作りに努力していきたい」(田中社長)
  "総合デジタル加工業"として、さらなる飛躍を目指す同社の今後に注目したい。