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躍進企業REPORT

渕上印刷:バリアブルPOP印刷専用機として、2台のRISAPRESS Colorがフル稼働

印刷ジャーナル 2011年9月15日
代表取締役社長 門田 晶子 氏
取締役クリエイティブ本部長 武田 尚満 氏
デジタル印刷グループ リーダー 山野 靖典 氏
2台のPOP専用機がシビアな納期要求に応える 手前:RISAPRESS Color 510 奥:RISAPRESS Color 651
制作現場
2005年にオープンした印刷通販サイト「プリンパッ!」

 約100店舗におよぶスーパーマーケットのPOP印刷をワンパスカラーバリアブル印刷で処理する渕上印刷株式会社。このシビアな納期管理が要求される仕事を支えているのが、モリサワのフルカラー・オンデマンド印刷機「RISAPRESS Color」だ。現在、POP専用機として2台が日々フル稼働している。

あらゆる情報伝達手法を駆使したソリューションビジネス展開

 同社の創業は1944年。戦禍が広がる最中、九州最南端の地「鹿児島」において活版印刷業者として産声をあげた同社は、地域経済・文化の発展への貢献を使命に成長を遂げ、いまや従業員200名を超える、県下有数の総合印刷会社として知られる。
 枚葉、輪転、ビジネスフォームの3本柱をベースとした紙メディア事業を展開する同社だが、「情報をデザインし、新たなコミュニケーションの価値を創造する」という旗印のもと、あらゆる情報伝達手法を駆使したソリューションビジネスを明確に打ち出すことで企業価値を高めているのが特徴だ。その守備範囲は、Web関連をはじめ、スマートフォンアプリ、あるいはTwitterなどのソーシャルメディアを駆使した総合的なプロモーションなど多岐にわたり、これらをワンストップで提供できるサービスプロバイダでもある。
 さらに、鹿児島ブランディング情報誌「リージョン」(季刊)を自社で発行。企画から取材、撮影、編集、デザイン、印刷までのすべてを手掛け、「鹿児島の魅力」を発信している。「地域社会への貢献」というミッションが見え隠れする取り組みだが、門田晶子社長は「自分たちの力を磨き、試すためのツールでもある」と語る。

機種選定の最大の決め手は「MVP」の存在

 渕上印刷におけるオンデマンド印刷ビジネスは2003年頃から。当時は「ノウハウの蓄積」を目的とした先行投資的な意味合いでの導入だったようだ。ただ、総合印刷会社の同社における小ロットをターゲットしたオンデマンド印刷ビジネスは、苦戦を強いられた。そこで、小ロットの仕事を効率よく受注する仕組みとして、2005年に印刷通販サイト「プリンパッ!」を開設。その受け皿となったオンデマンド印刷機の稼働率も順調に上がり、「プリンパッ!」で扱う商材もオフセット印刷物へとその範囲を拡大させてきた。
 一方、「プリンパッ!」開設と時を同じくして、あるスーパーマーケットからの受注案件が浮上。クライアントの要求はカラーバリアブル印刷によるPOP印刷だった。
 この受注をめぐって、新たなカラーオンデマンド印刷機導入に向けて機種選定に乗り出した同社。検討の結果、モリサワのフルカラー・オンデマンド印刷機「RISAPRESS Color 510」の採用が決定した。
 機種選定の最大のポイントになったのは、モリサワの可変印刷ソフトウエア「MVP」の存在だ。クロスメディア課デジタル印刷グループの山野靖典リーダは、このMVPについて「チケットナンバリングや宛名印刷のフロント側で活用してきたMVPのハンドリングの良さは当社でも実証済みです」と評価する。さらにクリエイティブ本部長の武田尚満取締役は「オンデマンド印刷機の機種選定は、いわゆる『MVPとの相性』が最大の決め手となりました。サポート面、あるいは何らかの技術検証を行う際の利便性を優先した結果です」と説明する。

POP専用機2台体制で、シビアな納期要求に応える

 受注に成功したスーパーマーケットのPOP印刷は、約100店舗ある店ごとの商品、価格をワンパスでカラーバリアブル印刷するというもの。商品価格データベースから抽出されたcsvデータが毎日のようにクライアントから同社サーバにアップロードされ、プログラムによってMVPで使える形式に変換後、RISAPRESS Colorで出力される。
 これらPOPは、当然のことながら特売日などにあわせて納品する必要があるため、チラシ同様、非常にシビアな納品管理が要求される。そこで同社は2008年、バックアップ機として、同じくモリサワのフルカラー・オンデマンド印刷機「RISAPRESS Color 651」を増設。以来、POP専用機2台体制で、クライアントのシビアな納期要求に応えている。
 2台のPOP専用機は、あわせて月ベースで16万カウントを弾き出しているという。「モリサワが推奨するカウント数を上回っていますが、それだけ機械の堅牢性は実証されています。またメンテナンスや小さなトラブルにもこまめに対応してもらっていますので、これまで納期遅れは一度もありません」(山野リーダ)
 一方、RISAPRESSの課金方法においても同社は大きなメリットを享受しているという。「POPはベタのカラー印刷が多い分、トナー込みのカウント料金というRISAPRESSの課金設定は我々にとってコスト的に大きな魅力です」(武田取締役)
 さらに同社は、RISAPRESSがはがきサイズの印刷にも対応していることもメリットとして挙げており、POP印刷の合間に洋封筒の宛名印刷で活用している。
 「RISAPRESSによるオンデマンド印刷ビジネスの可能性をもっと試してみたいというのが本音のところ。ただPOP専用機としてフル稼働させていただいているのは非常にありがたいことです」(門田社長)

オンデマンド印刷ビジネスの可能性追求へ

 あくまで紙メディアをベースとした事業領域の中で、顧客にとって最適なメディアを模索し、提供し、そしてその準備をいち早く進めてきた同社。多品種小ロット化というトレンドが一層強まる中、オンデマンド印刷によるメディアの供給は、総合印刷会社の同社にとってもその重要度を増そうとしているようだ。
 「今後はデータ加工からバリアブル印刷といったオンデマンド印刷の特徴を最大限に発揮できる仕事が受注できるように、社内環境やノウハウを整備していきたいと考えています」(門田社長)