PJweb news

印刷産業のトレンドを捉える印刷業界専門紙【印刷ジャーナル】のニュース配信サイト:PJ web news|印刷時報株式会社

トップ > 躍進企業REPORT > MEGA Jprint 4P440導入、最新鋭機の可能性に期待
躍進企業REPORT

瀧川印刷所:MEGA Jprint 4P440導入、最新鋭機の可能性に期待

印刷ジャーナル 2008年3月25日
全社に一体感を生み出したMEGA Jprint
瀧川社長
瀧川専務

 (有)瀧川印刷所(福岡市東区箱崎ふ頭6-6-46、瀧川肇社長)は2月24日、九州地方1号機となる「MEGA Jprint 4P440」(AIC=アキヤマインターナショナル(株))を導入した。この導入を機に、同社では全社員の心が一つに。営業マンは8色機を切り口に営業を展開。また現場も同印刷機の先端技術に活気づいている。同社の瀧川社長は、「我が社の将来に希望と光を与えてくれた」と、最新鋭機導入がもたらす無限の可能性に期待を膨らませている。

 瀧川印刷所は、昭和22年4月に創業。現在の従業員は20名弱で、大規模でもなければ、零細でもない。企画・デザインから印刷全般、発送までを一貫して請け負う。「地方の印刷会社の現実の姿と言えるのではないか」と同社にMEGA Jprintを納入したAIC営業担当者は話す。地方における一般的な中小印刷会社と言えるだろう。
 では、その同社が最新鋭の両面8色機を導入した経緯は何だったのか。瀧川社長によると、ここ4~5年前から九州地方でも価格競争が激しくなり、今では当初の半値近くにまで下がっているという。さらに、多色化や高付加価値化のニーズが進む中で、「当社のような小規模企業でも8色機を設備できるということを証明したかった。そして厳しく暗い現状を打破したかった」(瀧川社長)。MEGA Jprintに、会社の将来と希望を託したのである。
 同社は15年程前、AICの2色機を設置していた経歴はあるが、4色機以降は同社の機械を設置していなかった。加えて、「九州地域ではAICのシェアはあまり高いとは言えない」(瀧川社長)ため、不安な面も正直あったという。同社にとって、まさに今回の導入は社運をかけた試みであったと言っても過言ではない。
 「会社の将来に希望と光を与えてくれるきっかけが欲しかった」と話す瀧川社長がMEGA Jprintの導入を検討したのは昨年10月のことだ。IGAS2007のAICブースで、「MEGA Jprint」が発表されて間もない頃である。しかし当初、MEGA Jprintの導入には社長を除いて全社員が反対していたという。それが徐々に変化してきたのは、昨年10月に鹿児島県の(株)あすなろ印刷において行なわれたJ printの内覧会に瀧川裕司専務と工場長が参加した頃からだったという。
 「内覧会をきっかけに、徐々にMEGA Jprintを導入する方向に意見が変化してきた」(瀧川社長)。実際のJprintを見て考えが一転したのである。さらにMEGA Jprintは、従来機にない最新鋭の機能を搭載している。これが導入を後押しする要因となったことは言うまでもない。
 そして最終的に納入を決定したのが2月中旬。それから10日と経たない2月24日、九州地方1号機となるMEGA Jprintが納入され、3~4日の立ち上げ期間を経て、3月上旬には即戦力機として本稼働を開始した。
 同社が導入した「MEGA」は、外見こそ従来機とさほど変わらないが、その内部には随所にAICの最新技術が搭載されているものである。
 その第一に挙げられるのが、毎時1万5,000枚を誇る高速生産。これについて瀧川専務は、「MEGA Jprintの生産性を効率よく使用すれば、実際的な生産能力は従来の3倍になる」と期待する。同機は単に生産スピードを向上させただけでなく、機械全体のバランスをとるため、インキングのローラーの揺れを極力少なくすることで最適なバランスを具現化するなど、AICの製品開発コンセプトである「ユーザーの視点での機械設計」が随所に施されており、「導入前にあった『不安』は、今や完全に払拭された」と瀧川社長。社内のモチベーションもますます高まり、AICの営業担当者も、「ここまで『空気』が変わる会社も少ない」とその変わり様には驚いているという。
 また、瀧川専務は「MEGA Jprintの導入後、全社員が同じ方向に向かっていることを感じる。ただ、今は導入して間もないため、本領が発揮されるのはまだまだこれからと考えている。非常に可能性を秘めた印刷機である。あとは効率のよい稼動を目指し、利益を追求していくだけだ」と話す。
 同社の現在の受注の特長は「広く、浅く」。幅広い顧客から少しずつ仕事を請け負ってきた。しかし、MEGAJ printを導入した今後の方針は、「広く、深く」である。新規開拓をこれまで以上に進めると同時に、既存顧客との関係を従来以上に深め、大量の仕事獲得を目指す。「基本的に、依頼された仕事を断ることはない」(瀧川社長)という意気込みである。
 「MEGA Jprintを活用して、利益を出していくことがアキヤマへの何よりの恩返しである」と語る瀧川社長には、ユーザーとしての責任感と自信が感じられる。MEGA Jprintは規模や形態を選ぶことなく、ユーザーに夢と希望を与えてくれる印刷機であることを、瀧川印刷は証明してくれるはずだ。