2008年10月16日
リョービ(株)は、省エネルギーで環境負荷が少ない次世代の「LED-UV印刷システム」を印刷機のオプションとして販売を開始した。
LED-UV印刷システムはUV波長を発生させる産業用LED-UV照射システムをパナソニック電工(株)から供給を受け、東洋インキ製造(株)が開発したLED硬化型UVインキを使用して、リョービが世界で初めてオフセット印刷機での開発に成功したもの。同社では同システムを今年ドイツで開催された drupa2008に参考出品し、予想を超える大きな反響を呼んだことから、製品化を急いだとしている。
このシステムのUV(紫外線)硬化には従来のランプ方式に替わって、長寿命、低消費電力のLED方式を採用しており、環境負荷の低減が課題となっている印刷業界において、次世代のUV印刷システムとして期待されている。
同システムをオプションとして搭載できる機種は、B2判印刷機「RYOBI750シリーズ」、新商品の「RYOBI750Gシリーズ」および菊四裁寸延び印刷機「RYOBI525GX」。同社では今後、さらに新機種への展開も図っていく方針。
同システムの特徴は以下の通り。
▽消費電力が70~80%少なくてすみ、電気代が削減できる(B2判機の場合、CO2換算で約86.6トン/年、森林面積で約6.8ha/年の環境負荷の軽減に相当)。
▽光源が長寿命で交換頻度を大幅に減らすことができる(対ランプ方式比較12倍)
▽オゾン発生がなく、環境にやさしい。また、換気のためのダクト工事が不要。
▽赤外線を含まないので印刷資材や印刷機への熱影響が抑えられる。
▽瞬時に点灯、消灯でき、乾燥装置に依存する待ち時間が発生しない。
▽用紙幅に合わせた照射幅の制御が可能で、LEDの効果的な運用が行なえる。
▽LED直下でも常温を維持しており、安全性が高い。
▽コンパクトな制御キャビネットで省スペース設置が図れる。
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RYOBI750/750Gシリーズでは、設置スペースやインキのレベリングを考慮し、インターデッキタイプとドライユニットタイプの2種類を用意している。
LED-UV乾燥装置、制御装置、冷却装置、配管部品などで構成するUV乾燥システムの販売価格は、RYOBI750/750Gシリーズ用のインターデッキタイプで3,200万円、ドライユニットタイプで4,200万円、RYOBI525GX用で2,500万円。
なお、対応インキは現在、東洋インキ製もしくはDIC製のプロセス4色。今後はUVニスへの対応も視野に入れた開発を進めていく方針。