2014年10月2日
ミシン目を切ったときの光を確認して真贋判定
大日本印刷(株)は、切る、折り曲げる、引っ掻くなどの圧力を印刷面にかけるとインキが発光する「応力発光印刷」を開発し、世界で初めて実用化した。偽造防止効果を高める技術として、金券などの印刷物に応用し、10月に量産を開始する。
応力発光印刷は、ひずみが生じると発光する特殊な分子構造を持つ応力発光体を活用したもので、圧力がかかったときだけ発光し、元に戻せば消える特徴を持つ。数分ほど印刷面に光を照射した後、暗い場所で印刷物を切る、折り曲げる、引っ掻くなど圧力をかけると、緑色の光を発する。また、太陽光や蛍光灯などを照射した後、暗い場所に移動してもしばらく残光が生じる「燐光性」もある。
この応力発光や燐光を発する印刷物を正規品と見なすことにより、真贋判定に利用できる。耐水性や紙への加工適性など備えており、印刷色は無色。応力発光印刷の加工コストは通常の印刷1色分の価格に対して10%増程度を予定している。