2012年9月12日
日本電子書籍出版社協会(略称:電書協)は、EPUB3制作の方向性を示すため、加盟社に向けて「EPUB3制作ガイドver.1.0」を公開した。
電子書籍における国際的な電子書籍フォーマットであるEPUBは、すでに日本でも実用化に向けてさまざまな取り組みが進められ、有力な電子書籍フォーマットのひとつになりつつある。しかし一方で、ビューワーごとに表示が異なり、またEPUB3を制作する際の方法が複数あるため、いまだ出版社が積極的な制作に取り組みづらい状況にある。
さらに、出版社のEPUB3に関する意向が統一されていないことから、ビューワーや読書端末の迅速な開発も妨げられているとも考えられる。今回電書協が公開した制作ガイドは、一定の方向性を示すことでこれらの問題を解消するのが狙い。
「電書協EPUB3制作ガイドver.1.0」は、主として組み方向の混在や段組などのないシンプルな体裁の書籍を、リフロー型の電子書籍として記述するための指針。最低限の画像配置のみを想定しており、画像の周囲をテキストが回り込むようなデザイン、凝った見出しのレイアウト、および固定型のレイアウト等については今回見送っている。
IDPFが提供しているReadiumの挙動等を参考にしつつ、ビューワーの対応が現段階では難しいと思われる機能の利用は見合わせ、本来EPUB3で利用可能とされている機能からさらに大きく絞り込んだ一部の機能のみの利用を想定している。今後、業界の状況を踏まえて順次バージョンアップしていく予定。