2009年4月20日
(社)日本印刷産業連合会(山口政廣会長、以下、日印産連)では、平成20年1月から表面化した製紙会社各社による再生紙の古紙配合率偽装問題を重要視し、印刷製品を認定するグリーンプリンティング(GP)製品認定制度において環境配慮印刷製品であることを示すGPマークの表示基準から「用紙」のグリーン原則(グリーン基準)の6項目を外すという「臨時的措置」を同年2月1日から継続していたが、このほど製紙業界自らの検証システム、国や環境団体等のこれら問題に対する取り組みが進んできたことから、臨時的措置を解除することとなった。
今回の臨時的措置解除の対象となるのは、日印産連「オフセット印刷サービス」グリーン基準並びにグリーンプリンティング認定制度<オフセット印刷部門>において環境配慮印刷製品であることを示すGPマークの表示基準から外していた「用紙」のグリーン原則(グリーン基準)の6項目。
(1)再生循環資源を利用した紙の使用(古紙配合率70%以上等)
(2)白色度の考慮(非塗工紙は白色度80%程度以下)
(3)塗工量の考慮(塗工量30g/平米以下)
(4)塩素ガス不使用パルプの使用(ECF漂白パルプ)
(5)有害物質を含有しない(アミンが一定量を超えて検出されないこと)
(6)再生紙の製造に積極的に取り組んでいる企業からの調達)
これに古紙リサイクルを促進する基準である「古紙リサイクル適正ランクリストがAまたはBの用紙である」を加えたものが、GPマーク表示のための「用紙」としての基準となる。
日印産連では、今回の臨時的措置解除の理由として、「再生紙の古紙配合率偽装問題発覚後、日本製紙連合会が中心なり、「古紙パルプ等配合率検証制度」が平成20年7月1日よりスタートし、約10ヶ月が経過したこと」、「グリーン購入法に基づく特定調達物品等においても印刷用紙の基準が従来通り決められていること」、「エコマークにおいても、信頼確保に係る証明方法の強化を盛り込んだ認定基準の改定が行なわれ、印刷用紙の審査が再開されていること」、「臨時的措置を長期間にわたって継続することはグリーンプリンティング認定制度そのものの信頼性を欠くこと」等の状況を鑑み、臨時的措置を解除することが望ましいと判断。
日印産連では、再生紙の古紙配合率偽装問題から派生した問題には、同制度も含めて十分に対応していないと認識しているものの、製品情報そのものに対する疑念や再生紙等の紙の流通の混乱もある程度解消されているものとみなし、臨時的措置を解除し、正常な状態に戻すこととした。なお日印産連では、基準適合性の判断のあり方、基準そのものの見直し等は、今後の課題として検討していく方針。
臨時的措置解除の時期については、GPマーク表示の上で混乱をきたさぬよう相当の周知、準備期間が必要であることから平成21年7月1日からの解除となる。