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印刷インキでも相次いで偽装発覚

2008年2月5日

 製紙会社による一連の古紙配合率偽装問題に続き、印刷インキでも相次いで偽装が発覚、業界内外に波紋を呼んでいる。
 ザ・インクテックは2月1日、再生紙偽装問題を受けた社内調査で、「ソイシール」や「エコマーク」を添付した印刷インキの一部に、それぞれ基準を満たしていない製品があったと発表。また4日には、最大手の大日本インキ化学工業も「ソイシール」や「エコマーク」を添付した印刷インキに偽装があったことを公表した。その後も、サカタインクスが同様の調査結果を明らかにした他、東洋インキ製造と東京インキは「ソイシール」添付インキ製品で、日本新聞インキは「エコマーク」添付インキ製品で、それぞれ基準を満たさないものがあったことを明らかにしている。
 一方、経済産業省は4日、印刷インキ工業連合会に実態調査を行なうよう指示し、10日以内に結果を報告するよう求めている。

ザ・インクテック

 再生紙の古紙配合率問題等の発生を機に、同社が製造するインキについて社内調査を実施。結果、アメリカ大豆協会認定の「ソイシール」を貼付したインキの一部および(財)日本環境協会認定の「エコマーク」を貼付したインキの一部に、それぞれのマークの貼付が認められるための基準を満たしていない製品があることが判明した。
 同社は1993年に、環境に配慮したインキとして大豆油インキを開発し、1996年に「ソイシール」の認定を取得。また1997年に、環境保全に役立つ製品に認められる「エコマーク」の認定を取得した。
 今回の原因について同社は、「当初これらのインキは基準を満たしていたが、その後、乾燥性など品質向上の要望に応えていく過程で、これを優先するあまり、基準遵守の意識が希薄になり、これらのマークを貼付するべきではない製品にも一部マークを貼付するという結果になった。このような事態に至ったことについては、深く反省し、ユーザーの皆様や関係の方々に心よりお詫び申し上げる」としている。
 「ソイシール」貼付インキで、基準を満たしていない製品があったのは、オフセットインキと新聞インキの一部。また、「エコマーク」を貼付している新聞インキの一部に、11項目の基準のうち1項目を満たしていない製品があり、また、包装紙用水性フレキソインキについても、12項目の基準のうち1項目を満たしていない製品があった。
 同社では、基準を満たしていない製品について、直ちに出荷を停止し、ユーザーに事情説明と謝罪を行なっていく方針。

大日本インキ化学工業

 再生紙の古紙配合率問題などの発生を機に、同社が製造する印刷インキについて社内調査を実施。結果、アメリカ大豆油協会認定の「ソイシール」を添付した印刷インキの一部、および(財)日本環境協会認定の「エコマーク」を添付した印刷インキの一部に、それぞれのマークの添付が認められるための基準を満たしていない製品があることが判明した。
 原因について同社は「当初、これらのインキは当該基準を満たしていたが、改良を重ねていく過程で基準遵守の認識が希薄となり基準を逸脱したために、または、マーク添付基準の変更により新基準から外れたために、当該マークを添付すべきではない製品にもマークを添付するという結果になった。このような事態に至ったことについて、深く反省するとともに、ユーザーの皆様、関係の方々に心よりお詫び申し上げる」としている。
 基準に満たないもので目立ったのは、ともに新聞インキ。2007年4月から12月までの間、月平均1.2トン出荷したソイシール付き新聞インキでは大豆油含有率がすべて基準以下だった他、エコマーク付き新聞インキも、月平均987トン出荷したうち、77トン(7.8%)で石油系溶剤の使用量が基準を上回っていた。
 同社では、基準を満たしていない製品について、出荷を停止し、ユーザーに事情説明と謝罪をしていく方針。

東京インキ

 「エコマーク」と「ソイマーク」を表示した製品の内容成分について調査した結果、「エコマーク」表示製品についてはすべて基準を満たしていたが、「ソイマーク」表示製品について、基準を満たさない一部の製品があることが判明した。
 新聞印刷用の墨インキを除いたノンヒートオフ輪インキの墨と枚葉インキの一部において基準外の組成となった製品に「ソイマーク」表示を行ない出荷していた。
 原因について同社は、「乾燥性、流動性など印刷適正の品質改良を優先したため、「ソイマーク」基準を遵守する意識が希薄となっていた」としている。
http://www.tokyoink.co.jp/r/soy080205.pdf

日本新聞インキ

 用紙の再生紙問題が発生したのを契機に、同社は製造している新聞印刷用インキについて製品に貼付しているエコマークの基準を遵守しているかどうか社内調査を実施。結果「石油系溶剤は30%以下」という基準に対し、1品種3トン(2 社へ納入)が33%と基準を満たしていないことが判明した。
 原因について同社は「基本配合では基準値を満たしていたが、印面品質等の改良を重ねている段階で基準遵守を置き忘れてしまった結果といわざるを得ない」としている。
 同社は納入先2社に対し、直ちに謝罪と説明を行ない、いったん当該製品の出荷を停止してユーザーの意向を聞きながら、今後の対応を検討する方針。
 なお、基準を満たしてなかった品種は、同社の月間出荷総量のうち0.35%。ソイシールについては、同社では製品に貼付していない。

東洋インキ製造

 販売している全製品について、「ソイシール」および「エコマーク」の基準に関しての社内調査を実施。結果、同社ホームページ等で案内している環境調和型の標準製品においては、全て基準に適合していた。しかし、若干数のユーザーの印刷条件や品質要求に合わせた改良を実施した中で、ソイシールの基準を外れた派生品のあることが判明した。
 同調査で判明したソイシールの基準に適合しない印刷インキは、枚葉インキ4品目、計4トン/月の出荷量であり、ソイシール貼付の全オフセットインキ出荷量に対し、0.12%となる。
 また、新聞インキ、フレキソインキおよびその他インキについては、基準を満たさない製品はなかった。
 同社では、該当品について直ちに修正を行ない、技術面での対策を実施するとともに、対象となるユーザーには、事情説明ならびに謝罪を行なっていく方針。

サカタインクス

 再生紙の古紙配合率問題等の発生を受け、同社製品の成分および配合について社内調査を実施。結果、「ソイシール」および「エコマーク」を貼付した製品の一部に、その基準を満たしていない製品があることを発表した。
 原因について同社は、「当初、これらのインキは基準を満たしていたが、一部のインキで、その製造過程において品質の維持のため補正を行ない、その結果基準から外れた製品が出荷されるという事態を招いた」としている。
 同社は、すでに基準を満たしていない製品について出荷を停止しており、現在は品質を維持しつつ基準に適合した製品を出荷している。

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