2011年1月27日
日本製紙連合会は、「2010年度までに古紙利用率62%の目標達成に努める」という現行目標の目標期間が本年度末で終了するため、このたび新たな目標を「2015年度までに古紙利用率64%の目標達成に努める」とすることを発表した。
同連合会がこれまで掲げてきた古紙利用率目標62%に対し、2008年度には62.4%、2009年度は62.7%と2年前倒しで目標を達成しており、2010年(1月〜10月)は62.4%と目標を上回っている。
古紙利用率については、板紙分野では92%を上回り、ほぼ限界に近いと考えられる。紙分野においても40%を超え、品質的に利用可能な上質古紙は量的に限定されていることから、同連合会では「これ以上の利用率の向上は技術的、経済的に極めて困難」としている。また、古紙利用技術も世界最高水準にあり、今後これまで以上の革新的かつ飛躍的な展開を見込むことはできない状況にあるほか、これまでの古紙利用率目標の達成努力を通じて日本の古紙リサイクルシステムは社会的にほぼ成熟化し、当初の目標策定の意義は概ね適えられているとしている。
しかしながら「製紙原料の安定的供給の確保」や「省エネ、地球温暖化防止への貢献」、「資源の有効利用、ゴミ減量化による循環型社会の形成」など、社会的意義は依然として重要であるほか、日本の製紙産業の国際競争力を維持するという重要な役割もあるため、利用率目標の水準にかかわらず、再度、新たな利用率目標を策定することとした。