2009年1月29日
富士フイルムグラフィックシステムズ(株)(本社:東京都千代田区・吉田整社長・以下 FFGS)は、このほど富士フイルム製のサーマル無処理CTPプレート「ET‐S」の国内導入100台を達成、これを記念して12月17日、100 台目の導入先となった(株)ケイバブック(滋賀県栗東市・松井淳社長・以下ケイバブック)大阪工場にて、記念品贈呈のセレモニーを開催した。
「ET-S」は、富士フイルム独自の高速重合反応感光層技術、実績のあるマルチグレイン技術に加え、最新の独自画像形成技術により、現像処理タイプのサーマルCTPプレート「HP-F」と同等の高感度、高解像度、高印刷適性を有しながら、「完全無処理」を実現しており、「高品質・高生産性」と「環境対応」の両立を可能にする次世代のCTPプレートとして高い評価を得ているもの。
今回100台目を導入したケイバブックは、業界屈指の人気雑誌「週刊競馬ブック」をはじめとした競馬関連の専門誌や新聞を多数発行。その編集から印刷・配送までを一貫して手掛けており、近年では雑誌と連動したWEB サイト・携帯サイト・ネットショップなども運営し、新たなファン層も獲得している。
滋賀県栗東市の本社に週刊誌印刷工場、全国10 箇所に新聞印刷工場を持ち、とくに新聞印刷においては高いレベルでの「スピードと正確性の両立」が求められることから、つねに最新の設備で作業の省力化と品質の安定化を追求してきた。その一環として、2006年4月より、新聞印刷の全面CTP化に着手。刷版工程の効率化のみならず環境対応も同時に実現するため、ET-Sを採用した。
約1年間のテスト運用を経て、2007年3月の京都工場を皮切りに、2008 年6月にかけて計12 台、ET-Sを導入し、"完全無処理CTP化"を達成している。
セレモニーには、ケイバブックから春原和欣取締役専務印刷局局長、FFGS から磯村和孝執行役員大阪支社長、山川清彦大阪支社営業部マネージャーが出席。この席で、春原専務からは、導入の経緯・メリットについて「ET-Sの"完全無処理"というコンセプトが、刷版工程の省力化・省スペース化・環境対応という当社のニーズと合致し、2006 年からテスト運用を開始、翌年から本格導入に至った。
現像工程がなくなったことで、"現像廃液ゼロ"が実現したほか、自現機のメンテナンス作業からも解放され、環境対応と同時に刷版工程の効率化・省力化が図れた」とコメント。さらに、プレートの安定性についても、「競馬新聞の印刷は?分の遅れも許されない"時間勝負"の世界であり、速く安定して印刷できることが絶対条件となるが、ET-Sは安定性においても申し分ない。導入から現在まで大きなトラブルは一度も起きておらず、非常に信頼性の高いプレートだと感じている。また、PS版と同様の方法で取り扱える点も魅力。優れた作業性のおかげで、CTP化をスムーズに行なえた」と述べた。
FFGS では、今後も「環境性」と「品質・生産性」を高次元に両立するCTP 関連製品の開発・提供に努めていく方針。