2014年1月23日
昭和特殊グラビア(株)(資本金1,000万円、静岡県富士市中里大坪新田添2608-57)は、1月21日に事業を停止し、事後処理を弁護士に一任、自己破産申請の準備に入った。
同社は1960年4月創業、1987年9月に法人改組した各種包装資材のグラビア印刷および製袋加工業者。包装資材メーカーや商社等を得意先として、グラビア印刷では1色刷りから5色刷りまで対応したほか、衛生関連設備も有し、品質管理・衛生管理への細心の配慮が得意先にも信認され、ピークとなる2000年8月期には年売上高約6億4,000万円を計上していた。
しかし、同時期を境に製袋部門において主力得意先からの受注が漸減し、またグラビア印刷部門においても同業者間の競合が激化、苦戦を強いられた。さらに、2002年9月、2003年9月の2度にわたり工場火災が発生し、復旧費用の一部を金融機関からの借入により賄ったことなどから有利子負債が増加。グラビア印刷の主原料であるグラビアインキの値上げもあり、2001年8月期から業績悪化が続いた。
その後も東日本大震災以降の溶剤価格高騰、電気料金値上げなどにより製造原価が上昇するなか、リストラや中小企業金融円滑化法に基づく借入金返済のリスケジュールで凌いできたものの、収益構造の改善が進まず先行きの見通しが立たなくなり、事業継続を断念した。
負債は2013年8月期末時点で約3億600万円の見込みだが、変動する可能性がある。
(帝国データバンク調べ)