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 (社)日本印刷産業機械工業会(小森善治会長)は2009年10月、オフセット印刷における標準印刷色である枚葉印刷用ジャパンカラーを基準値としたJapan Color認証制度「標準印刷認証」を策定し、印刷物の標準化の確立に向けた取り組みを開始している。さらに今年3月までに「マッチング認証」、「プルーフ運用認証」、「プルーフ機器認証」の3つの認証制度においても取得企業が誕生し、印刷技術の標準化ツールとしての活用に期待が持たれている。

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Japan Color認証制度、印刷技術の標準化確立へ

全認証制度の運用始まる

印刷ジャーナル 2012年4月15日号掲載

 (社)日本印刷産業機械工業会(小森善治会長)は2009年10月、オフセット印刷における標準印刷色である枚葉印刷用ジャパンカラーを基準値としたJapan Color認証制度「標準印刷認証」を策定し、印刷物の標準化の確立に向けた取り組みを開始している。さらに今年3月までに「マッチング認証」、「プルーフ運用認証」、「プルーフ機器認証」の3つの認証制度においても取得企業が誕生し、印刷技術の標準化ツールとしての活用に期待が持たれている。

 これまでの印刷業界では、仕上がった印刷物の良し悪しは顧客の視覚的判断によって決められており、明確な基準がない中で印刷物が作成されていた。さらに印刷物の発注者、デザイナー、カメラマンなどからの色再現の要求に対し、印刷会社は度重なる修正や刷り直しで対応しているのが実情で、その背景には印刷物作成に関しての標準的な基準がないことが大きな要因となっていた。そこで発注者が標準的な基準値で指定した色を印刷会社で適切に再現できることを一般化し、不要な修正や刷り直しを削減することを目的にJapan Color認証制度が創設された。
 Japan Color認証制度は、ISO国際標準に準拠し、日本のオフセット枚葉印刷における印刷色の標準である「枚葉印刷用ジャパンカラー」に基づいて認証を行うもので、「標準印刷認証」、「マッチング認証」、「プルーフ運用認証」、「プルーフ機器認証」の4つの認証で構成されている。
 2012年3月末現在、「標準印刷認証」の取得は83工場、「マッチング認証」の取得は15工場、「プルーフ運用認証」の取得は5工場、「プルーフ機器認証」の取得は36件に達している。なお4つの認証の概要は次の通り。

【標準印刷認証】
 標準印刷認証は、印刷機械のメンテナンスと数値管理等によって安定した品質の印刷物を作成できる工程管理能力について認証するもの。
 具体的には、OKシート(印刷物)におけるCMYK4色ベタ部のL*a*b値およびCMYK4色の50%網点部のドットゲイン値と、それに続く5000枚の連続印刷におけるL*a*b値、ドットゲイン値を測定することで、一定の色差内で安定的に印刷物を作成できる能力があるかどうかを審査する。なお標準印刷認証を取得した事業者は、従業員の名刺、ホームページおよび印刷物等にJapan Color認証マークを付けることができる。

【マッチング認証】
 マッチング認証は、標準印刷認証を取得していることを前提に、印刷における高いカラーマネジメント能力等について認証するもの。そのため難易度は、標準印刷認証と比べてかなり高く、その取得対象は、「標準印刷認証」を取得している印刷会社となっている。

【プルーフ運用認証】
 プルーフ運用認証は、個々のプルーフ機器を実際の現場で正しくメンテナンスし、適正に運用することにより、印刷用途に使用できる信頼性の高いプルーフ(出力物見本)を安定的に出力することができる運用能力等を認証するもの。原則としてプルーフ機器認証を取得した機器を使用して運用認証を申請することとなる。取得対象は、デザイン会社および印刷会社等。

【プルーフ機器認証】
 プルーフ機器認証は、プルーフ機器が印刷用途に使用できる信頼性の高いプルーフを安定的に出力できる能力があるかどうかを認証するもの。審査にあたっては、プルーフ機器、RIP(出力のためのソフトウエア)、用紙の3つの組み合わせで判定される。取得対象は、プルーフ機器メーカーおよびベンダー等。