大阪のクリエイティブ業界、印刷関連企業のための「安心の生産工場」を目指す一方、「ずっと安心。ぐっと満足。」をコンセプトとした印刷通販サイト「
プリントビズ」で全国展開する北東工業（株）（本社/大阪市中央区上町1-19-4、東條秀樹社長）は、「水なし印刷（環境/品質）+抗菌（機能）」による「SDGsへの貢献」を全面に打ち出したブランディングに乗り出し、「印刷物の新たな価値」を提案している。
「水なし印刷の北東工業」としても知られる同社。現在、油性、UV、LED-UV機を含む保有印刷機全7台が水なし仕様となっており、さらに3年前からは、石灰石を主成分とし、木と水をほぼ使用しない環境配慮型の新素材「LIMEX」の取り扱いを開始。「水なし印刷でLIMEXを印刷できる印刷会社」として独自の生産工程を確立し、「印刷物の新たな価値」を訴求している。
そして一昨年11月、都インキ製の「抗菌プラスにおわなインキ」を採用することで、その「環境性」に「抗菌性」を付与した「抗菌エコ印刷」を商品化。同時に抗菌製品技術協議会（SIAA）の認証を取得している。
抗菌印刷シリーズとしての商品ラインアップは、「抗菌エコLIMEXマスクケース」「抗菌エコLIMEX名刺」「抗菌エコLIMEXクリアファイル」「抗菌エコLIMEXメニュー印刷」に加え、新たに集客特化型の抗菌紙製マスクケース「いれときマスク」を追加している。
同商品は、販促チラシの機能を付加した抗菌マスクケース。「コロナ禍で頑張る飲食店や街の診療所を応援したい」という思いから生まれたものだ。一般的に流通している糊で留めるマスクケースとは異なり、四つ折りにした折部分にマスクを挟む。底が深いため、収納がしやすい構造となっており、銀イオンを含む抗菌性のあるニス「抗菌プラスにおわなインキ」を表面に印刷（水なし印刷）することで菌が住みにくい環境を作っている。
折加工を施したポケットの部分にマスクを入れるため、ケースを広げることができ、そこに広告を掲載できるのが特徴で、マスクを収納する際、来店客に店側の想いを伝えることができる。
現在はデータ入稿によるオリジナル商品となっているが、今後はデータ作成が難しい個人店舗など向けに、業種別で汎用性のあるデザインを施した既製品の開発も進めていく。
抗菌印刷は現在、マスクケースやメニューなど、特定分野での利用が進むものの、カタログやパンフレット、DMなど、商業印刷物における「付加価値」としての活用は限定されている。そこでプリントビズでは、抗菌印刷シリーズの充実をはかる一方で、商業印刷分野に向けて「水なし（環境/品質）+抗菌（機能）」による「SDGsの実現」といったブランディングを全面に打ち出し、差別化を目指す考えだ。
「JapanColorをベースとしたカラーマッチング技術による安定した品質を『物理的メリット』、さらに水なし印刷という生産工程における環境性と抗菌性を『ブランディング的メリット』として、これら両方をあらゆる販促物に付与し、提供していきたい」（営業課・竹中敦氏）
一方、これまで「安定した高品質を、圧倒的な瞬発力で...」をキャッチフレーズに、「同業者の生産工場」としての機能を追求してきた同社だが、今後は、販促印刷物における提案力を強化することで、直受注のクライアントへのアプローチを意識した展開もはかっていく。もちろん、この事業展開においても「環境+抗菌+品質」をキーワードに、「SDGs実現に向けたビジネスパートナー」としての機能を訴求していく考えで、それに向けて4月から部署間の垣根を撤廃した「ワンチーム制」を導入。営業、制作、印刷現場が顧客ニーズを共有する中で、ボトムアップによるマーケティング強化を図るとともに、スピード感のある商品開発を進めていく考えだ。
「同じ商品で『抗菌機能あり/なし』があるとすると、消費者は『あり』の商品に手が伸びる。その背景にはコロナ禍における『安心・安全』への意識の高まりがある。奇しくもコロナ禍によって消費者におけるSDGsへの関心が高まる中、我々もその『安心・安全』という視点で印刷商品を開発する必要がある。今や『SDGs』は『企業の責任』であり、将来にわたって支持され、成長していくために欠かせない視点だと思っている」（営業課・樽本直樹氏）
