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印刷会社の印刷通販サービス活用 2020

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いろぷり、提携ネットワーク構築で総合印刷通販へ

キーワードは「働き方改革」と「感染対策」〜商品アイテム・サービス拡充

印刷ジャーナル 2020年11月15日号掲載

 「いろぷり」は、京都の老舗印刷会社(株)ITP(本社/京都市中京区、喜田眞司社長)が7月に立ち上げた印刷通販サイト(運営会社:ネット印刷ITP(株)/京都市南区、北井元司社長)。第2フェーズに突入した10月からは、「働き方改革」と「感染対策」をキーワードに、商品アイテムをさらに拡充するとともに、BtoB中心のプロサイトから少しBtoCにも裾野を広げ、より使いやすく、見やすいサイトを目指し、ビジュアル・機能を一部リニューアルした。ITPグループのネットワークを活用するとともに、同業の印刷会社とも提携ネットワークを構築しながら商品アイテムとサービスを拡充し、総合印刷通販サイトを目指した取り組みを展開していく。

北井社長(前列左から3人目)といろぷりスタッフ
ビジュアル・機能を一部リニューアル〜法人から個人までが利用しやすいサイトに

 今年7月、コロナ禍での船出となった「いろぷり」はオープン4ヵ月ながらも現在の会員登録数は約1,000件で、このうち法人会員が3分の1、個人会員が3分の2を占める。スタート当初は大手・中堅企業などが会員の中心になると見込んでいたが、「個人経営の企業やデザイナー、商店などが多い。嬉しい誤算である」と北井社長。新聞広告やWEB広告、SNSなどの効果で会員登録数は想定を上回るペースで増えているようだ。個人会員が多いため、サイトデザインも印刷通販の発注になれていないユーザーでも見やすく、使いやすいように一新した。

https://www.iropuri.com
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 今回のリニューアルでは、「働き方改革」と「感染対策」をキーワードに、同業の印刷会社にはアウトソーシングや働き方改革の受け皿としての活用を呼び掛ける。また、提携ネットワークによる協業を視野に入れた新商品の開発、さらに、圧着ハガキやオフセット印刷のチラシ・リーフレットなどの対応ロット数を10万枚にまで拡大した。

   このほか、企業ノベルティーとして年末に向けて「卓上カレンダー」(名入れ可能)や「クリアファイル」のバリエーションを増やすとともに、国内生産の「感染対策・抗菌商品」をメインに特集し、各種バリエーションに富んだ新ラインアップを用意した。さらにITPグループの多彩なコンテンツ(老舗モール・翻訳サービス・なるほどーが・ドローン撮影)の窓口となる機能も追加した。これにより、ユーザーはITPグループのコンテンツをダイレクトに活用できるようになった。親会社であるITPのクライアントでも、発注する内容によっては「いろぷり」に直接注文するクライアントも増えているという。

 「ITPのクライアントにも、印刷内容が決定している案件については非対面で価格の安い『いろぷり』を活用していただくことを推奨している。重要案件・新規案件について対面営業で打ち合わせさせていただくなど、上手に使い分けていただきたい」(北井社長)

 7月のサービス立ち上げ以降、品質・発送遅延などもなく、ノンクレームで推移。会員からも多くの喜びの声が届いているようだ。

   その一部を紹介すると、「ネット印刷なのに、今発注している印刷会社よりきれいだ」「ネット印刷だからそこそこの品質と思っていたが、出来上がりの良さに驚いた」「入稿データチェックでデータの不備・修正について親切にアドバイスしていただいた」「祝日でも電話の問い合わせやメール・チャットの返信もスムーズに対応してくれて助かった」など。

 「現在使用している印刷通販と同じくらいの値段だからとお試しで発注していただき、リピートになってくれるユーザーが非常に多い」(北井社長)

第2フェーズでは、積み残した新サービスを続々と展開

 ITPは、京都・東京・名古屋・滋賀に全国4工場を有しているが、このうち滋賀工場には、高細線のプレミアムデジタルプレス機を設備している。

 「もともとは学校アルバム印刷のために導入したものだが、印刷精度が想像以上に良いため、これをアルバム以外の印刷にも展開していく。早ければ11月にも開始したい」(北井社長)

 また、さらなる受注拡大を見据えて、デザインチェックだけでなく、デザイン制作サービス(デザイン制作と印刷をパッケージ化したサービス)も間もなく開始する計画だ。

 「WEBでデザインサービスを行う通販サービスの中には、いくつかのバリエーションの中から選択するようなものもあるが、それではデザインがパターン化してしまう。ITPグループには東京・名古屋・大阪のデザイン会社を合併した新しいデザイン会社も立ち上がっており、それぞれの業界を得意とするデザイナーも多く在籍している。これらの優位性を最大限に活用し、オンリーワンのデザインをシステム化して非対面で提供していきたい」(北井社長)

 このほか、特集ページ・業種別ゾーニングページ、印刷から新聞折込までをパッケージにしたサービスなども展開していく。

 「ホテルなどの宿泊関連、外食・飲食関連、得意とする学校関連などの業種別のゾーニングページを制作し、ユーザーがより見やすく、使いやすいサイトを構築していきたい」(北井社長)

 なお、「いろぷり」では、今年12月末まで、1回で5,000円以上(税込)を注文した会員を対象に、毎月100名に抽選で「いろぷりボールペン」が当たるプレゼントキャンペーンを実施している。会員登録していないユーザーは対象外となる。また、新規会員登録で2,000ポイントをプレゼントするキャンペーンは、引き続き実施している。

同業者との共存共栄で印刷業界の発展を目指す

 「いろぷり」は今年7月、ITPグループの豊富な設備力を活用することにより、特別な設備投資をすることなく印刷通販業界に参入したが、今後は「総合印刷通販」を目指し、多くの同業他社と提携ネットワークを構築しながら商品アイテム・サービスをさらに拡充していく考えだ。

 「飛行機に例えるなら、ITPという飛行機は胴体だけでは飛び続けることはできず、両翼、尾翼として、共に助け合っていく同業他社の皆様の力が必要不可欠だと考えている。印刷業界全体の市場は縮小しているが、印刷通販市場は今後も伸びていくと予測されている。提携ネットワークで共に助け合いながら祖業である"印刷"を守り、大切にしていきたい」(北井社長)

 提携ネットワークを構築しながら急成長を目指す「いろぷり」。今、勢いに乗っている印刷通販の1つと言うことができそうだ。今後の展開に注目したい。