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印刷会社の印刷通販サービス活用 2020

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GiH、Web to Printパッケージ「Print Door」

印刷通販ビジネス取り組みを支援 - 手軽・低価格で導入可能

印刷ジャーナル 2020年11月15日号掲載

 「Web to Printを手軽に始めてみませんか?」。(株)GiH(本社/新潟市東区津島屋7-29、木戸敏雄社長)は、フォトグッズ関連のWeb to Printを手軽かつ低価格で始められるパッケージ「Print Door(プリント・ドア)」を今年9月に発売した。「オンデマンド印刷機を保有しながらも稼働していない印刷会社に新たなプリントコンテンツを提供していきたい」と木戸社長。レベニューシェアを採用することで、100万円程度の初期投資で導入が可能。さらにIT導入補助金を活用すれば、費用の最大4分の3を補助金で賄うことができる。

操作画面

 木戸製本所グループのGiHは2015年に創業した企業で、フォトギフト作成ツールなどをプラットフォームとして提供している。顧客ニーズに合わせてフォトギフトのアプリケーションをカスタマイズして提供しており、これまでいくつものフォトを活用した通販サイトの開発を手掛けている。

 しかし、印刷通販を始めたくても設備投資などの初期コストやスキルの不安などが足かせとなり、なかなか印刷通販の世界に踏み込めない印刷会社が多いのが現状だ。そこで、同社は手軽かつ低価格に印刷通販を始められる入門パッケージとして「Print Door」を開発し、今年9月に発売した。これにより、印刷会社の新たなプリントコンテンツ創造をサポートしていく。

 「オンデマンド印刷機を持っていながらもコンテンツがないため稼働しておらず、オフセット印刷機と同じものを刷っているという印刷会社は意外と多い。そのような印刷会社に新たなコンテンツを提供していくことが私達の使命だと認識している」(木戸社長)

オリジナルの印刷通販サイト構築が可能

 「Print Door」のパッケージには全部で4種類あり、テーマに合わせたものを選択することができる。「PDカレンダー」は、好みの月から開始することができるカレンダーの印刷通販で、Web to Printの初心者にもお勧めだという。また「PDスタンダードパッケージ」はあらゆるシーンに対応したフォトグッズアプリケーションで、誰でも簡単に自分だけの1冊を作ることができる。

 「PDウェディング」は、ウェディングに特化したもので、写真レイアウト・背景デザインが充実。挙式のスタイルに合わせた作成コースを選択でき、完成度の高い1冊に仕上げることができる。また「PD卒園アルバム」は、可愛らしい背景や装飾スタンプにより、子供の生き生きとした表情や友だちとの楽しそうな様子を1冊のアルバムに詰めこむことができる。

 これらのパッケージを導入する際の流れを説明すると、はじめにGiHによるヒアリングが行われるので、ここで自社の印刷通販に求めるものや顧客ターゲット、商品などについて要望を伝えれば、GiHがその印刷会社に最適なデザインや手法を提案してくれる。

 「このため、ベースとしては大きく4つに分かれているが、オリジナルなサイトの構築が可能になる。例えばウェディングにしても、和装に特化したサイトにするなどのカスタマイズが可能」(デザイナーの長南氏)

 その後、印刷通販用のページ作成、商品構築などの初期設定作業が開始され、その後、約3週間程度でサービスを開始することができる。オンデマンド印刷機を持っていれば、設備投資や特別なスキルがなくても手軽かつ簡単に印刷通販のサービスを開始することが可能になる。


印刷通販を開始するための各種機能が充実

 「Print Door」には、デザイン機能、決済機能、受注管理機能など、印刷通販を開始するための充実した機能が搭載されている。

 デザイン機能では、それぞれのテーマに合わせた写真枠テンプレートがセットされているため、ユーザーは手持ちの写真をテンプレートに当てはめるだけで簡単にフォトグッズを作成・注文することができる。

 「ユーザーがデザインに悩まなくても、そこそこのものが写真だけで作れるようにデザインしている。また、要望があればカスタマイズにも対応している」(長南氏)

 また、Webサービスには欠かせない決済機能を搭載。「決済はフォトグッズを作ったあとに注文のところで選ぶことができる。銀行振り込みやクレジットカード、代引き、後払いのほか、事前にクーポンを購入して支払うこともできる」(長南氏)。さらに、受注管理機能により、受注状況・出荷状況などを一元管理することができる。またユーザー登録機能により、購買履歴の管理を行うことも可能だ。

 なお、「Print Door」ではレベニューシェアを採用している。これは、パートナー契約により収益を分かち合う提携形態で、リスクとプロフィットをシェアするもの。売上の20%をレベニューシェア報酬としてGiHに支払うことになるが、「Print Door」はこれを採用することで、安価な初期導入コストを実現している。

「印刷の新しい扉」を開くツールに

 「Print Door」を活用した効果的な営業方法についてGiHに聞くと、「Print Door」はオフラインtoオンラインの営業に効果的なツールであるという。このため、全国から仕事を集めるという考えではなく、地域密着の狭いエリアでの活用に向いているようだ。

 「新潟県には酒蔵が多いので、例えば、父の日のプレゼント用にカスタマイズした写真付き日本酒ラベルを提案するなどの活用方法が考えられる。そして、このような地域での成功事例を全国の各地域でシェアし合えるようなツールを目指していきたい」(木戸社長)

 また、同社エンジニアの飴田氏は「Print Doorの名称には『印刷の新しい扉を開く』という意味が込められている。その実現のため、Print Door導入企業の印刷通販を成功に導いていくことはもちろん、その他の悩みについても一緒になって考えていきたい」と導入後も手厚いサポートを行っていく企業姿勢について説明している。

 同社では、来年7月までに20セットの販売を目標としており、そのために業界商社との代理店契約なども進めながらこれを実現していく考えだ。 今後の展開について木戸社長は、「Web to Printで名刺などテキスト系のものを組版できる仕組みもすでに構築している。Print Doorの状況を見ながら発売時期を見定めていきたい」としている。