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デジタル印刷特集 2016

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RMGT
枚葉機で毎時6,000枚 〜 drupa2016で動態展示

B2判液体トナー方式デジタルオフセット印刷機「RMGT DP7」

印刷ジャーナル 2016年3月25日号掲載

 リョービMHIグラフィックテクノロジー(株)(一政譲社長、以下「RMGT」)のdrupa2016出展テーマは「ともに、世界へ彩りを。」。新しいシンボルマーク、コーポレートメッセージ、および新デザインに統一した印刷機を世界に向けて紹介する。
 展示機は、LED-UV乾燥装置を搭載した菊全判オフセット印刷機RMGT10とA全判オフセット印刷機RMGT9、そして(株)ミヤコシと共同開発を進めているB2判液体トナー方式デジタルオフセット印刷機RMGT DP7が参考出品として展示実演される(ホールNo16、ブースNoD24、ブース面積=841平方メートル)。

RMGT DP7
 同社では、旧リョービがdrupa2012でミヤコシブースに参考出品したB2判液体トナー方式デジタルオフセット印刷機の製品化に向け、開発を急いでいる。
 drupa2012発表後は、翌年のJGAS2013で、新しくオペレーションスタンドを排紙部に一体化した小ロット対応のローパイルデリバリーモデルを開発し、リョービブランドの商品名を「RYOBI DP760」として紹介。さらに昨年のIGAS2015で発表された新たなブランディングを受け、商品名を「RMGT DP7」と改め、drupa2016に登場する。
 同機は、RMGTとミヤコシが共同開発を進めるデジタル枚葉4色印刷機。ミヤコシが持つ高解像度の超微粒子液体トナー電子写真技術と、RMGTが持つオフセット枚葉印刷機で培った高速用紙搬送技術を融合することで、B2判用紙(最大用紙サイズ788×600ミリ、最大紙厚0.4ミリ)で毎時6,000枚の高速印刷を実現するもの。超微粒子液体トナーを感光ドラムから用紙へ転写させることで、1,200dpiという高解像度で繊細な印刷表現が可能である。
 1〜2ミクロンという超微粒子液体トナーは、トナー層の薄膜化が可能で、紙が従来持つ光沢を損なうことなく印刷できるほか、折り加工時の割れの問題も軽減できるというメリットがある。また、圧胴式の「グリッパー用紙搬送システム」採用によるオフセット同様の見当精度、さらに1色ワンタワーのタンデムタイプの機械構成が高速化に大きく寄与している。
 リョービが以前主力としていたA3サイズの印刷は、少なからずデジタル印刷へ流れたものがある。今後さらに菊半サイズでもデジタル印刷に置き換えられる仕事が出てくるとの認識のもと、同機の開発に着手したという。
 最大の特徴は、高い生産性である。毎時6,000枚というスペックは、一般的に枚葉タイプでは他製品の倍以上になる。
 また、ターゲットとなるのは印刷会社であるため、印刷機と同じような給排紙を装備する「取っつきやすさ」や、版胴、ゴム胴、圧胴で構成されるオフセット印刷機の構造に近い3胴構成による高い印刷品質の実現も大きな特徴になるだろう。
 同社では、今回のdrupaでも「参考出品」としているが、今後、このデジタル印刷機をどのような位置付けで市場導入していくのかに注目したい。