産業用インクジェットプリンターの(株)ルキオ(本社/東京都世田谷区、古谷庄悟社長)は、「swissQprint」ブランドのハイエンドUVインクジェットプリンター、昨年12月から販売開始したイー・エフ・アイ社の最新インクジェットプリンター「VUTEk GS5500LXr Pro」を「サイン業界だけでなく、印刷業界にも十分に通用する品質とスピードを兼ね備えたデジタル印刷機」(古谷社長)と位置付け、IGAS2015に向けて、印刷業界への周知活動を展開している。同社は両製品を、先ごろ東京ビッグサイトにおいて開催されたJAPAN SHOP2015に出品。新製品の実演に来場者の注目が集まった。
品質と生産性、多メディア対応を実現する「swisQprint」
スイスで開発・製造される「swissQprint」ブランドのプリンターは、多くのスイス製工業製品の例に漏れず、細部にまでこだわり抜いた設計がなされている。
その特徴は、精密さと耐久性の高さ、そしてシンプルに統一されたデザインにある。適切な設定で運用することにより、小さなパネルから規格外の大型ボード、ロールメディアまで、様々な資材に対して正確かつ高精細にオンデマンド印刷することができる。
同ブランドの新製品である「nyala II」は、名機「nyala」の後継機として誕生したもので、筐体サイズはほぼ据え置きのままで、印刷可能範囲を3.2×2mと25%拡大させており、リジッドメディアの高効率印刷(タンデム印刷)をさらに加速させた。
また、最新鋭の高速プリントヘッドを採用しており、最速206平方メートル/時のスピードでも十分に満足できる品質の印刷が可能になっている。
主な特長は、製版・CTP不要/UVインクのため即乾/白インクの搭載により、蒸着紙にもPETラミの上にもプリント可能/透明バーニッシュ(ニス)インクにより、部分光沢加工が可能/紙厚は50ミリまで。合紙物や段シートにもプリント可能/デジタルのため、バリアブルプリントも可能/カッティングマシンとの連携も可能-など。
古谷社長は「品質・生産性の高さだけではなく、板紙やフィルムなど様々なメディアに高付加価値印刷を行うことができるため、サイン業界よりも印刷業界のマーケットに近い製品と言える。スクリーン印刷の業界にはすでに何社かのユーザーに導入していただいているが、今後は、とくにパッケージングや板紙業界に向けて積極的にアピールしていきたい」としており、IGAS2015に向け、swissQprintブランドをさらに周知していく。
5メートル幅の「VUTEkシリーズ」最新機種を実演
JAPAN SHOP2015では、昨年12月より取り扱いを開始した「VUTEkシリーズ」の最新機種にあたる「VUTEk GS5500Lxr Pro」の実演に来場者の注目が集まった。
同製品は、昨年7月に上海の展示会において世界的にも初めてのお披露目となったもので、10月にラスベガスで披露。そして昨年12月、ルキオ社の内覧会において国内初披露された。
同製品について、efi社・アジアセールスディレクターのベンソン氏は、「従来製品である『GS3250』は12plでインクを噴射していたが、新製品の『GS5500』はこれを7plに改良している。これにより、さらにハイクオリティな出力が可能になっている。さらに、用紙幅5mのワイドフォーマットでLED-UV搭載を両立しているインクジェットプリンターは業界としても初めての製品となる」と話しており、その販売パートナーとしてルキオに期待を示している。
また、「GS3250/5500」に搭載されるLED-UVランプについてベンソン氏は、「LED-UVランプの搭載により、パワーセービングが行えることはもちろん、アークランプと比べると劣化しないためランプの寿命も長く、ずっと同じ状態を保つことができるためオペレーターの負担も軽減することができる。さらに、薄物や熱に弱いメディアにも出力することができる。また、メディアが軽くなれば運搬代も安くなるという利点もある」とLED-UVの持つ様々な利点に自信を示している。
主な特長は、8色(C・M・Y・K・Lc・Lm・LBk・LY)+ホワイト(オプション)UVインク搭載/8色+ホワイトまたは4色(Fast-4)に切り替え可能/600dpiと1,000dpiの2つの解像度を選択可能/UVランプは高寿命でハイパワーなLEDランプを使用/定評のあるFieryRIPを採用/最速260平方メートル/時の高速印刷/ホワイトインクを使用したマルチレイヤー印刷に対応/最大メディア5m/厚さ3.2ミリまでの厚手のテキスタイルや、メッシュを含む軟質素材にも印刷可能-など。
なお、同社はIGAS2015に12小間規模で出展し、新製品をはじめ、各種大型IJプリンターを展示する予定。