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トップ > 特集 > 印刷会社の印刷通販サービス活用 2013:楽プリ.JP:「すぐに探せる」「簡単に発注できる」

新たな印刷サービスとして市場拡大が進む「印刷通販」。一方で同サービスを外注先として利用する印刷企業も増加傾向にあり、本紙がWeb上で行ったアンケート調査によると、印刷業による利用率は35.2%にのぼり、その数はさらなる高まりが予測される。そこで今回、「印刷会社の印刷通販サービス活用」をテーマに、プロである印刷会社が印刷通販サービスを活用する際の注意点についてMCCの奥敦雄社長に話を聞くとともに、印刷通販利用実態アンケート調査結果を公開。 さらに、プロの要求・需要を満たす印刷通販サービスを展開する19サイト(関連含む)を、量販型・特化型に分けて紹介する。

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楽プリ.JP:
「すぐに探せる」「簡単に発注できる」

[量販型印刷通販サイト]ユーザビリティを重要視

印刷ジャーナル 2013年7月5日号掲載

三宅社長
​ わずらわしい印刷の注文を、もっとカンタンにお手軽に--。「楽プリ.JP=以下、楽プリ」は、そのサイト名が示すとおり注文の簡単さ、ユーザビリティの良さなどを最大の売りとする印刷通販。このため、初めてのユーザーには特に好評なようで、感謝の声も数多く届くという。満艦飾あふれる印刷通販とは相反し、シンプルなサイト画面で「発注したい商品をすぐに見つけられる」「簡単に発注できる」印刷通販として今後も充実化を図る。


 「楽プリ」を運営するのは、兵庫県北播磨の地域密着型印刷会社である(株)邦栄堂(加西市西笠原町766、三宅成和社長)。同社は昭和11年に創業し、三宅社長が生誕した昭和22年に法人化。それから約67年にわたり、時代の変化に対応しながら信頼と実績を積んできた。
 「楽プリ」の開設は4年前。競争の激しい印刷通販市場への参入に不安もあったが、「時代は印刷通販のスタイルを求めていることは間違いなく、独自性あるサイトを構築すれば、参入できない市場ではない」(三宅社長)と決断。そこで同社が目指したのが、満艦飾あふれる印刷通販とは相反し、「シンプルさ」にこだわった印刷通販の開設であった。

http://www.rakupuri.jp/
​ 同社は10年前、紙媒体の印刷だけでなくホームページの企画・デザインにも事業領域を拡大するため、数名のシステムエンジニアを採用。当初は地元企業のホームページ制作を請け負う業務が中心であったが、7年前に同社の現在にも影響を与えるプロジェクトを手掛けることになる。それが北播磨の観光地やグルメ、ホテル・病院などの生活情報を紹介するポータルサイト「はりはりドットコム」の開設だ。
 「これがきっかけとなり、現在は北播磨広域観光協議会が運営する兵庫・北播磨観光ポータルサイト『ハートに ぐっと 北播磨』のサイト構築も手掛けている。また、その経験が『楽プリ』の開設にも役立ち、自社のシステムエンジニアのみでサイトを構築することができた」(三宅社長)
 当初の計画通り、「楽プリ」のサイト画面はすっきり、シンプルな作りとなっており、発注したい商品をすぐに見つけることができ、初めてのユーザーでも簡単に発注できるよう工夫している。また、見た目だけでなく操作上のスピード感も重視した。「画面の切り替えが遅いと、それだけでユーザーはストレスを感じる。フリーズなどはもっての他である。このため、画面の切り替えの"サクサク感"も最重要課題として構築に取り組んだ」(三宅社長)
 また、「楽プリ」を運営しながらも地域密着型印刷会社のスタンスを崩さない同社では、「親近感の持たれる印刷通販」を目指し、ツイッターによる社員のつぶやきなど、遊び心あるコーナーも盛り込まれている。
 「女性スタッフ数名を広報部員として、地元の写真と社員のつぶやきなどを掲載している。これにより、さらに地元に愛される印刷会社を目指したい」(三宅社長)
 このコーナーは、開設した当初にはなかったもので、このようなサイトのリニューアルも自社で構築しているからこそ費用の心配なく行えると三宅社長は話す。今後も親近感の持たれる印刷通販を目指し、必要があればリニューアルを重ねていく方針だ。
 さらに面白い取り組みであるのが、「私が印刷しました」「私が梱包しました」「私が社長です」などと記載された写真とコメント入りのカードを商品に同梱して送付するというものである。
 「食料品などでは同様の取り組みを見かけるが、これにより親近感を感じてもらい、ユーザーとの結びつきをさらに強くしていきたい」(三宅社長)
 同社は今後もユーザーに愛される印刷通販を目指していく。